2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of sound localization in human autism using autism model rats
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17K10050
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
江藤 みちる (伊田みちる) 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80393148)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉症 / ラット / 脳幹 / 聴覚 / 抑制性ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症は、コミュニケーション障害・社会性の障害・常同行動といった中核症状のほかに、感覚過敏など感覚処理の問題がしばしば合併する。本研究では、自閉症モデルラットを用いて聴覚の中枢神経系の中継核異常の機能的意義、特に音源定位の神経回路の解析を行い、ヒト自閉症診断への応用を目指すことを目的とする。本年度は、自閉症モデルラットの聴覚中枢神経系を明らかにするため、自閉症モデルラットを作製し、シナプスに着目した形態学的解析および音源の方向を変えた時の音刺激に対する聴覚神経系の応答について解析を行った。 (1)形態学的解析:台形体核の主細胞マーカーであるcalbindin d28k抗体およびプレシナプスのマーカーであるsynaptophysinを用いて生後7, 14, 21日の幼若期で自閉症モデルラットで免疫組織化学を行った。既報では生後50日の成獣ラットではcalbindinの発現低下が見られたが、幼若ラットではコントロール群との差は見られなかった。一方、synaptophysinは両群とも生後14日で一過性に高く、生後21日での発現減少はコントロール群で顕著であった。以上から、自閉症モデルラットでは生後21日で台形体核のシナプス刈込異常が起こり、その後に主細胞の異常が引き起こされると考えられた。 (2)音刺激に対する聴覚神経系の応答:音源の方向の固定のため、麻酔下で防音箱に入れ、シンセサイザーで16 kHzの純音を1時間ばく露させた。音源は前方、側方、後方とした。直後に灌流固定を行って脳スライスを作製し、c-Fos抗体を用いて免疫組織化学を行った。麻酔の有無による差は見られなかった。音源の方向による違いについては現在データの解析中である。
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