2019 Fiscal Year Annual Research Report
Newborn Screening for Hypophosphatasia
Project/Area Number |
17K10055
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 公俊 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30336234)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 新生児スクリーニング / 低ホスファターゼ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規に開発した測定方法を用いることで、濾紙血検体を用いてTNSALP活性を測定できるようになった(特許出願中)。TNSALPは熱に弱く失活しやすい。そのため、短時間での酵素反応によって十分な測定感度を得ることが重要である。濾紙血抽出液中のTNSALPを蛍光基質である4-methylumbelliferyl phosphate (4MUP)と反応させることで、高感度の酵素活性の検出が可能になった。 熊本地区で行っている新規新生児スクリーニングのパイロット検査として、低ホスファターゼ症スクリーニングを実施した。確定診断は精密検査として熊本大学附属病院に来院していただき、確定診断のための検査として、一般生化学検査、尿中ホスホエタノールアミン検査、遺伝子解析などを行う。疾患頻度、病型の多様性を明らかにし、適切な治療時期の検討を行うことで、低ホスファターゼ症の疾患概要を明らかにすることとした。 低ホスファターゼ症に関し熊本県内出生の研究同意が得られた新生児乾燥濾紙血を用い検査した結果(n=10,777、同意率約 96 %、TNSALP活性分布は平均値752.1pmol/hr/diskを中心に上下になだらかな濃度分布を示した。カットオフを300pmol/hr/disk未満で運用した結果、再採血が11例発生し(11/10,777=0.10%)、要精密は発生していない。今後も熊本県全域での低ホスファターゼ症の新生児スクリーニングを継続する。その中で発見されたアルカリホスファターゼ低値の新生児は、生化学検査におけるアルカリホスファターゼ測定、アミノ酸検査におけるホスホエタノールアミン測定、遺伝子解析などをおこない、低ホスファターゼ症の確定診断をおこなう。そのことにより、低ホスファターゼ症の適切な診断、治療の時期と、疾患概要とを明らかにすることができると考えられた。
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Research Products
(5 results)