2020 Fiscal Year Research-status Report
子どもの受動喫煙防止対策に資するPM2.5濃度とタバコ煙に関するコホート研究
Project/Area Number |
17K10059
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
井埜 利博 群馬パース大学, 保健科学部, 客員教授 (60138261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 受動喫煙 / 三次喫煙 / 尿中コチニン(UC) / PM2.5濃度 / 非侵襲的推測 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの受動喫煙防止対策に資するPM2.5濃度とタバコ煙に関するコホート研究
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度の報告書にも挙げた通り、本研究の目的を達成するため、生活環境下におけるタバコ煙濃度を計測しているが、昨今の喫煙環境の急激な変化、具体的には被験者家族に喫煙者が減少していること、また、アンケート調査の結果を踏まえると加熱式タバコの急速な普及により、仮に室内喫煙していても尿中コチニンを検出することが困難であること、特に乳児では自宅での尿検体採取が困難である(ウロバッグを装着しても漏れてしまう)等の問題に直面し、検出限界以上のUC値を採取に苦慮している。 また、2020年初頭から続くSARS-CoV-2感染症(COVID-19)の影響により、被験者児童の自宅生活環境下におけるタバコ煙濃度(PM2.5濃度)計測ならびにアンケート調査実施に理解を得にくい状況が依然続いたこと、尿中コチニン濃度測定を担っていた株式会社BMLが尿検体受入を一時中止していたが、2020年12月23日に受託検体数僅少のため、2021年3月末を持って検査受託中止することが公式発表され、以来、尿中コチニン濃度測定自体を担う会社を選定できていない。それ以前に尿中コチニン濃度測定を依頼していたコスミックコーポレーションから株式会社BMLに検査移管された際も同様の理由であったこと、また、埼玉県熊谷市や千葉県千葉市をはじめとした受動喫煙検診が行われた結果、児童の受動喫煙が可視化され、報道等を通じて地域住民に情報提供された結果、タバコ販売会社から検査会社に何らかの圧力がかかった可能性も否定できないことなどから、今後速やかな検査実施会社選定が困難な情勢である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の報告書にも挙げた通り、Covid-19の感染終息と新しい生活様式への移行が進む中、研究への理解・同意を得ることに困難が予想され、また、進捗状況に掲げた問題もあり、研究当初の目標症例数達成は困難であることから、現在集積された症例をもとに多角的な分析を進め、少しでも研究成果があがるよう善処する。
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Causes of Carryover |
「現在までの進捗状況」の通り、尿中コチニン検査対象者の確保に苦慮していること、尿中コチニン濃度測定検査の依頼先がないことなどから調査が進まず、検査費用や謝礼等の支出がなかった。 次年度は、これまでに集積された症例をもとに多角的な分析を進めるため統計解析ソフトの購入等を予定している。
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