2019 Fiscal Year Annual Research Report
How language functions in children are organized and restored? - Examination by magnetoencephalography-
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17K10072
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白石 秀明 北海道大学, 大学病院, 講師 (80374411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 文也 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30281835)
柳生 一自 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (90597791)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語機能 / 機能獲得 / 言語発達遅滞 / 脳磁図 / 周波数解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
言語遅滞児に対し、言語機能発達段階を脳磁図によって検討し定量化・比較を行う為に、昨年度に引き続き5名の患児に対して、複数回の検討を行なった。北海道大学病院に設置されている306ch脳磁計を使用し、独自に開発した文字情報混合装置を用いて、患児の好む任意のDVD画像に文字情報を組み込み、これを約10分間の時間を単位として約40分間視聴することによって、文字刺激を行った。刺激情報は、遠距離焦点の強化プロジェクターを用いて眼前に置いたスクリーンに直接投影し、この画像を患児に見せた。 言語刺激に対する、事象関連脱同期反応を検討した。独自に開発した、Matlab toolを用いた、解析ソフトウエアを用いて、任意の時間範囲、周波数、脳の部位における、事象関連脱同期反応を、図示した。この検討の上で、ヒトの基本的な基礎活動である、10Hz帯域の基礎活動(α律動)周辺の5~15Hzの基礎活動に特に注目した。 経年的変化を観察している急性脳症後に言語を獲得しつつある患児、Angelman症候群で発語はないものの、言語理解が進んでいる兄弟例、先天性筋症で発語はないものの言語理解が予想される患児に関して、検討を行なった。いずれかの時期で、言語優位半球の分化が得られてくるのではとの予想を立てていたが、昨年から左半球性の10Hzにおける事象関連脱同期が見出された、急性脳症後の12歳患児(脳症罹患後11年)において、その徴候は安定し出現し、Angelman症候群症例では、一部で左半球性の事象関連脱同期が見出されるようになって来た。いずれの症例も言語機能の回復が見出されており、臨床的結果との相同性が得られた。 今後も、縦断的な研究の継続が望まれた。
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