2017 Fiscal Year Research-status Report
エクソーム解析による熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定
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17K10079
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中山 純子 茨城県立医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30433155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱性けいれん / 遺伝子 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを使用してエクソーム解析を行うことにより、日本人熱性けいれん患者に共通な疾患遺伝子を同定することを目的として研究を行った。 研究代表者はすでに日本人熱性けいれん47家系185名を集めすべてのDNAを抽出しているが、これらのうち平成29年度は、研究代表者らが以前報告した熱性けいれんFEB4遺伝子座(5番染色体q14-q15領域)と連鎖する日本人熱性けいれん大家系を対象としてエクソーム解析を行った。まず、3世代にわたり8名の熱性けいれん患者を含む日本人熱性けいれん大家系(K#1家系)に含まれる7名の熱性けいれん患者のDNAサンプルをアガロースゲルで電気泳動し、低分子化断片がないことを確認した。それらのDNAサンプルを用いて、次世代シークエンサー(Illumina NextSeq 500シークエンサー(Illumina社))を用いてシークエンスを行った。得られたエクソームデータについては、現在解析および変異のアノテーションを行っているところである。エクソーム解析では、FEB4遺伝子座に存在する遺伝子を中心に解析を行っているが、熱性けいれんは比較的頻度の高い多因子疾患であり、解析した患者に表現模写(phenocopy)による患者が含まれていた場合などは患者に共通の遺伝子変異が同定できない可能性もある。表現模写が存在する場合には連鎖解析の結果にも影響している可能性が高いため、FEB4遺伝子座領域に疾患の原因と考えられる遺伝子変異が同定できなかった場合は、本領域以外についても引き続き解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、当初の研究計画どおり、日本人熱性けいれん大家系の患者を対象として、次世代シークエンサーを用いてシークエンスを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度にシークエンスを行った7名の日本人熱性けいれん大家系患者の解析を継続する。 現在はFEB4領域を中心に解析を行っており、熱性けいれんの発症にかかわると考えられる遺伝子変異が同定された場合は、他の日本人熱性けいれん家系の発端者を対象としてジェノタイピングを行う。さらに本遺伝子についてダイレクトシークエンス法を行い、他にも変異があるかどうかを確認する。同定された遺伝子変異については、既存のデータベースを用いて、一般集団でもみられる多型であるかどうかを確認する。多型であった場合は、TDT法やcase-control法を用いて関連解析を行い、熱性けいれんの発症との関わりを検討する。 FEB4領域に該当する遺伝子変異が同定できない場合は、本領域以外についても引き続きエクソーム解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究代表者は筑波大学遺伝医学教室で研究を行っており、平成29年度は研究分担者である筑波大学遺伝医学教室の野口恵美子教授に分配した本研究費を使用して次世代シークエンサーによるシークエンスを行ったため。 (使用計画) 次年度使用額については、平成29年度に行ったシークエンス結果を解析し、熱性けいれんの発症にかかわると考えられる遺伝子変異が同定された場合に、他の日本人熱性けいれん家系の発端者を対象として遺伝子型の決定を行うために使用する予定である。
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