2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソーム解析による熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定
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17K10079
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中山 純子 茨城県立医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30433155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱性けいれん / 遺伝子 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを使用してエクソーム解析を行うことにより、日本人熱性けいれん患者に共通な疾患遺伝子を同定することを目的として研究を継続した。 今年度は、研究代表者らが以前報告した熱性けいれんFEB4遺伝子座(5番染色体q14-q15領域)と連鎖する日本人熱性けいれん大家族(#K1家系)を対象として、平成29年度に次世代シークエンサーでシークエンスを行なって得られたエクソームデータの解析を行なった。解析にはGATK(Van der Auwera GA et al. 2013. CURRENT PROTOCOLS IN BIOINFORMATICS)を使用した。以前の解析から本熱性けいれん家系の遺伝様式は常染色体優性遺伝と考えられているため、対象者とコントロールのバリアントを検出したのちに常染色体優性遺伝様式を仮定してバリアントのフィルタリングを行った。アノテーションについてはANNOVAR(Wang K et al., Nucleic Acids Research, 2010)を使用した。 検出されたバリアントのうち、常染色体上に存在し、かつ機能の変化が予測されるミスセンス変異等のアミノ酸の変化が生じる変異をフィルタリングしたところ19765個が検出された。熱性けいれんの5番染色体連鎖領域については33個のミスセンスバリアントが検出されており、今後、詳細な検討を加える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、日本人熱性けいれん大家系の患者を対象としてエクソームデータの解析を行い、常染色体上に19765個の機能変化が予測される変異を同定できたが、他の日本人熱性けいれん家系についての解析がまだすすんでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度にエクソーム解析でFEB4領域に同定された33個の機能変化が予測される33個のバリアントについて、さらに解析をすすめて熱性けいれんとの関連を検討する。熱性けいれんの発症にかかわると考えられる遺伝子変異が同定された場合は、他の日本人家系の発端者を対象としてジェノタイピングを行う。さらに本遺伝子についてダイレクトシークエンス法を行い、他にも変異があるかどうかを確認する。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度はエクソームデータ解析が中心となり、当初予定していた他の日本人熱性けいれん家系のジェノタイピングを行わなかったため。 (使用計画) 次年度使用額については、平成30年度に同定されたバリアントを解析し、熱性けいれんの発症にかかわると考えられる遺伝子が同定された場合に、他の日本人熱性けいれん家系を対象として遺伝子型の決定を行うために使用する予定である。
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