2021 Fiscal Year Research-status Report
エクソーム解析による熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
17K10079
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中山 純子 茨城県立医療大学, 付属病院, 准教授 (30433155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱性けいれん / 遺伝子 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを使用して熱性けいれん大家系の全エクソーム解析を行うことにより、日本人熱性けいれん患者に共通な疾患遺伝子を同定することを目的として研究を継続した。 前年度までに、研究代表者らが以前報告した熱性けいれん遺伝子座(FEB4遺伝子座:5番染色q14-q15領域)と連鎖する日本人熱性けいれん大家族(#KI家系)中の7名の熱性けいれん罹患者を対象としたエクソーム解析によって、別の熱性けいれん遺伝子座(FEB3遺伝子座:2番染色体q23-q24領域)に存在するナトリウムチャンネル遺伝子上に候補バリアントを同定した。この家系以外の46の日本人熱性けいれん家系の解析を行ったが、#KI家系以外には同バリアントは存在しなかった。本バリアントが同定されたナトリウムチャンネル遺伝子は、他の海外のグループからもけいれん性疾患との関連の報告があるため、熱性けいれんの候補バリアントとして報告している(日本人類遺伝学会第65回大会)。また#KI家系の熱性けいれん非罹患者についても全エクソーム解析を行い、7名の罹患者のエクソームデータとあわせて再フィルタリングを行い、熱性けいれんの発症にかかわるバリアントの同定を行った。 令和3年度は、前年度までに同定されたバリアントについて解析をすすめた。13個の遺伝子上に14個のバリアントが同定された。それらのバリアントのうちexon内に存在していたのは8個で、そのほかのバリアントはintronに存在していた。exon上の8個のバリアントのうち、2個はアミノ酸変異を伴うミスセンス変異であった。現在はそれらのバリアントについてデータ解析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は研究代表者が所属施設ではない他施設で実験を行っている。令和3年度は、新型コロナウィルス感染症の流行のため、他施設での実験が制限されたため、予定どおりに研究がすすめられなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
日本熱性けいれん大家系(#KI家系)の罹患者および非罹患者を含めたエクソーム解析により、令和3年度までに同定された14個の候補バリアントについて、引き続き解析を行う。具体的には、それらのバリアントについて、機能解析を含めた解析を行い、熱性けいれん発症との関わりを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究代表者は筑波大学遺伝医学教室で研究を行っているが、令和3年度は新型コロナウィルスの流行のため、他施設への訪問を自粛する必要がある期間があったっため、予定どおりに研究をすすめることができなかった。 (使用計画) 次年度使用額については、前年度までに同定された候補バリアントの機能解析や、日本人熱性けいれん家系のジェノタイピングなどに使用する予定である。
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