2022 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying the role of ICA69 in the induction of type 1 diabetes
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17K10084
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田嶼 朝子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00328337)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 自己免疫破綻 / ICA69 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1型糖尿病の自己抗原の一つであるICA69(Islet Cell Autoantigen 69)が、1型糖尿病および他の自己免疫疾患の発症に重要な役割を果たすということを、胸腺における免疫寛容の破綻という視点から検証することを目的とした。そのために、糖尿病発症時期の判断、HE染色ならびに免疫染色を用いた組織学的評価、リアルタイムPCRによるIca1遺伝子発現量の測定を試みた。 対象として、1型糖尿病自然発症モデルであるNOD/ShiJclマウスにおけるICA69の発現を抑制した遺伝子組換えマウス(ICA-NODマウス)を、米国から輸入し用いた。繁殖に際し、輸入した時点で雌マウスが高血糖を呈しその後死亡したため、ICA-NOD系統を維持するために新たな交配を始める必要があり、マウス数が揃うまでに時間を要した。生まれたマウスは遺伝子解析により野生型、ヘテロ欠損型、ホモ欠損型に判別し、生後8-10週目から2週間毎を目安に血糖を測定した。繁殖が安定してから組織学的評価やRNA抽出のために膵臓、甲状腺、唾液腺、胸腺を採取した。 ICA-NODマウス201匹(野生型:雄36匹/雌20匹、ヘテロ欠損型:雄60匹/雌58匹、ホモ欠損型:雄6匹/雌21匹)について糖尿病発症時期および発症頻度を検討したところ、ヘテロ欠損型、野生型いずれにおいても、雄と比較して雌の方が発症時期が早かった。またエンドポイントにおける糖尿病発症頻度は雌においてはヘテロ欠損型の方が高かったが、雄においては野生型の方が高かった.週齢12、20、30の糖尿病未発症ICA-NODマウスの膵臓において、HE染色ですでに膵ランゲルハンス氏島へのリンパ球浸潤がみられたが、浸潤の程度は野生型とヘテロ欠損型とで明らかな差はなかった。また甲状腺におけるリンパ球浸潤は顕著でなかった。免疫組織染色ならびにIca1遺伝子発現量については安定した結果が得られなかったため、今後も検討を行う予定である。
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