2017 Fiscal Year Research-status Report
KCNQ2変異マウスを用いBFNEとEIEEの病態解明に挑む
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17K10088
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井原 由紀子 福岡大学, 医学部, 助教 (80648874)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | KCNQ2変異 / KCNQ2変異モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
年齢依存性てんかん性脳症(EIEE)は新生児期から幼児期にかけてんかん発作で発症し、難治性経過で重篤な発達障害を合併する予後不良の疾患群である。KCNQ2遺伝子は家族性良性新生児てんかん(BFNE)の原因遺伝子として報告されたが、近年、てんかん性脳症患者においても、その変異が原因遺伝子として報告されている。本研究ではEIEEで報告されているKCNQ2変異モデルマウスを用い、BFNE変異マウスとの比較解析を行い、KCNQ2変異の違いによる病態機序解明や有効な治療法の開発、創薬を目指している。 現在、EIEE症例で報告されているT274M,G290D変異をもつKcnq2マウスの作成、継代をすすめている。T274M, G290D変異マウスはすでに我々が解析しているBFNE変異マウス(A306T,Y284Cマウス)に対し自然発生けいれんの出現や寿命においての相違が考慮されたが、現時点でEIEEマウスを継代、飼育している中では、自然発生けいれんは観察されていない。また、出生後の平均寿命においても明らかな相違はみられていない。しかし、その繁殖、継代は当初予定より遅れている。2018年1月の時点でバッククロス6世代であり、引き続き繁殖をすすめている段階である。また、途中世代の個体については8-10週齢個体で麻酔下で前頭部、海馬に電極を埋め込み、ビス固定し脳波同時ビデオモニタリング解析を行っている。短時間の脳波記録解析では発作の捕捉には至っておらず、明らかな脳波異常は指摘されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
変異マウスの継代がすすんでいない
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Strategy for Future Research Activity |
現在使用できる最低限の個体数で行動解析、睡眠脳波解析をまず、すすめる。
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Causes of Carryover |
変異マウスの継代が予定より遅れており、繁殖に用いる個体数の確保を要したため、実験に使用できるマウスの個体数に限界があった。 脳波解析を行うマウスについては、すでに記録解析設備や使用する脳波電極、準備麻酔薬などはすでに以前から使用可能な分があり、繰り越しに至った。 実験使用可能なマウスの確保を行い、現在の継代世代での予備実験をすすめていく。
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