2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the phenotype of spinal muscular atrophy based on pre-mRNA regulation
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17K10089
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
荒川 正行 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 上級研究員 (90398868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / 神経幹細胞 / 運動神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、原因遺伝子(SMN1)の翻訳産物survival motor neuron (SMN)蛋白質の不足によって病態が生じる。本年度は、遅れていたヒト脊髄由来神経幹細胞(hNSC)から運動神経細胞への分化誘導を詳細に検討した。まず、使用したhNSC(Takara)はラミニンコートされたdishに増殖培地RHB-A(+EGF(20ng/ml)+bFGF(20ng/ml))を用いて一定数播種し、5-7日培養し増殖条件を決定した。各日に細胞の形態観察を行い、増殖速度を一定にした細胞群を凍結保存し、細胞の継代数(3-4代)で保存したものを分化誘導実験に用いた。分化誘導実験において、ラミニンコートdish、ラミニン+poly-L-オルチニンコートdishに、各々適切な細胞数を播種し、分化培地としてRHB-Basal(+1%B-27, bFGF(10ng/ml), BDNF (10ng/ml), )及びRHB-A増殖培地を用いて、7日から30日間培養を行った。培養日数と形態観察を行った結果、RHB-basal培地では、ラミニンコート及びラミニン+poly-L-オルチニンコート共に7日目から形態変化が見られたが、線維芽細胞様の形態を示した。また、RHB-A増殖培地をそのまま延長させた場合、15日目から神経細胞様の形態が出現し、30日目には90%以上の細胞が神経細胞様の形態を示した。次に、hNSCを分化誘導後7日目にhuman SMN siRNAを処理し神経分化誘導について考察したところ、分化誘導には変化が見られなかった。本研究期間全体を通じて、SMN蛋白質の発現量の異なるSMA患者由来線維芽細胞による解析から神経分化に影響する因子の減少、細胞骨格系に関する因子の増加が観察された。今後、これらの因子について分化誘導後のhNSCを用いて詳細に検討する予定である。
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Remarks |
公益財団法人微生物化学研究会 https://www.bikaken.or.jp
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