2018 Fiscal Year Research-status Report
小児白血病治療を目指したGM-CSF受容体特異的キメラ抗原受容体T細胞の最適化
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17K10103
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中野 茂 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (30791313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 洋三 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60397312)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キメラ抗原受容体T細胞 / GM-CSF / リガンド / 骨髄性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに最適化してきた改変型GMR CAR-Tの医師主導臨床試験の開始に向けた安全性評価の一環として、CAR-Tの細胞外領域のタンパク質可溶性画分を調製し、リガンド部位の組織交差性試験を実施する準備を推進した。 具体的には、CARを構成するリガンド領域とスペーサー領域を直列に繋いだCARの細胞外領域をコードする遺伝子を哺乳類細胞で高発現・分泌させる目的でSUMOstarタグとHisタグの融合たんぱく質として発現させるたため、哺乳類細胞での分泌てうタンパク発現に最適化されたベクターを用いてExpiCHO又はExpi293細胞へ遺伝子導入を行った。培養上清よりNiカラムを用いて融合タンパク質を精製し、SUMOstarタグとHisタグをSUMOプロテアーゼにより切断し、CARの細胞外領域の可溶性タンパクを取得した。取得した可溶性タンパクの生物活性を測定するため、SPR法にて解析を行った。市販のFc融合GMRタンパク質をプロテインAによってセンサーチップに固定化し、任意の濃度で調整したGMR CAR細胞外領域のタンパクを流し、固定化したGMRへの結合活性を評価した結果、文献値と遜色ないKD値で結合することを確認した。現在、さらなるタンパク収量の上昇を目指して、ベクターの載せ替え、培養条件等の最適化を継続して実施している。最終的な目標は、外部委託試験として予定している組織交差性試験の開始と評価完了である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)最適化されたGMR CAR-Tのin vivoでの効果は非臨床試験で確認されている。 2)医師主導治験へ向けたPMDA相談も複数回実施している。 3)開発品の安全性評価の一環とした本課題での実施試験が順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
調製およびGMRへの結合親和性が確認できたGMR CAR細胞外領域タンパク質につき、さらにタンパクの収量を上げるために、さらに最適化されたベクターへの載せ替えを行う。収量の上昇が確認できたら、組織交差性試験の委託試験に向けた十分量の調製タンパク質の取得を試みる。最終的には組織交差性試験の評価完了を目指す。
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Causes of Carryover |
ベクターの改変等、必要最小限の試薬類の購入で検討が進んだことが大きな理由である。今後は安全性評価等の外部委託が予定されているため、タンパクの量産等で必要となる培地類、精製に使用する物品の購入に全額を使用する予定である。
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