2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性肉芽腫症における肉芽腫形成の機序の解明と新規治療薬の開発
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17K10104
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
重村 倫成 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (70623916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性肉芽腫症 / 活性酸素 / PPARγ / 殺菌蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
Peroxisome Proliferator-Activated Receptor γ(PPARγ)アゴニスト作用をもつ2型糖尿病薬Pioglitazoneは抗炎症作用をもつことが多く報告されている。またX-CGDマウスにおける食細胞のミトコンドリア活性酸素を誘導し、黄色ブドウ球菌に対する殺菌を改善することが報告された。そこでX-CGD患者におけるPPARγ発現をコントロールと比較したところ、単球、好中球ともにX-CGD患者においてPPARγ発現は低下していた。一方、微生物の食細胞による殺菌には活性酸素の他、殺菌蛋白も重要な働きを担っている。活性酸素産生がないCGDでは、代償的に殺菌蛋白に変化がある可能性が考えられ患者とコントロールで比較したところ、myeloperoxidase (MPO), elastase, α-defensin, NGAL, lactoferrinの発現は患者で低下していたが、Bactericidal Permeability Increasing protein (BPI), hCAP-18は同程度であった。 これまでの研究からX連鎖性のX-CGDの保因者では、2本のX染来のどちらか1本が働かなくなるX 染色体不活性化現象から、ROS産生のある細胞とない細胞が混在していることが判明している。この点に注目し、ROS産生以外の背景が同一X-CGDの保因者から食細胞を比較検討した。gp91phox-p22phox複合体を認識する7D5抗体でROS発現のある細胞とない細胞にわけ両者を比較検討したところ、PPARγ、MPO, esterase, α-defensin, NGAL, lactoferrinの発現は両者で差がなく、X-CGD患者とコントロールの比較とは異なる結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた解析を行うことができている。予想とは異なる結果であり、今後の研究ないように修正が必要と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
活性酸素産生の有無以外の機序がないか、今後は肉芽腫や腸炎を引き起こす機序についてCGD以外の疾患からも解析を予定している。
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Causes of Carryover |
末梢血をもちいた解析結果からiPS細胞作成が必要なくなり、予定していた試薬、培養液の購入を見合わせたため差額が生じた。今後は肉芽腫や腸炎を引き起こす機序についてCGD以外の疾患からも解析を予定しており、T細胞、B細胞にも着目し、抗原認識抗体を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)