2017 Fiscal Year Research-status Report
難治小児がんの特異的遺伝子発現とHDAC阻害剤による増殖抑制・分化誘導効果の検討
Project/Area Number |
17K10122
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20285266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳生 茂希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572547)
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40453104)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | HDAC阻害剤 / 神経芽腫 / 横紋筋肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の当初の予定である、1)YM753の培養細胞における増殖抑制のメカニズムの解明と2)YM753投与による分化誘導効果の検討については、神経芽腫および横紋筋肉腫細胞株にて、増殖抑制の検討のためWST8アッセイ、細胞周期解析、Annexin Vアッセイを行った。その機序解明のためWestern blotting法、免疫染色で検討した。神経芽腫においては、WST8アッセイにおいて、細胞増殖抑制をみとめ、細胞周期はG2/M停止を来し、Cleaved caspase-3の誘導とアポトーシスを誘導した。また、p21を介した細胞分化が見られた。横紋筋肉腫においては、胎児型および 胞巣型RMS細胞株ともに奏功し、細胞死を誘導した。全細胞株においてG2/M停止を示し、アポトーシスの誘導が確認された。また、p21の発現誘導、ヒストンのアセチル化、Cleaved caspase-3の誘導が確認できた。YM753投与群においてphospho-Histone H3の上昇、Servivinの低下、有糸分裂異常像が観察された。このことから、Mitotic catastropheからのアポトーシス誘導が示唆された。 以上のように、ほぼ実験が完了したことから、平成30年度の予定である、動物実験モデルでの抗腫瘍効果の検討を横紋筋肉腫において行った。前臨床試験のため異種移植マウスモデルを作成し、腫瘍サイズと転移の有無をIVISイメージングシステムを用い検討した。マウスモデルにおいては、YM753投与群は非投与群に比べて腫瘍サイズ、生存曲線ともに有意差を持って改善するデーターがでつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大学院生が精力的に実験をすすめていること。当研究室で保有していた、多数の細胞株が豊富に利用可能であり、予想以上の結果がでつつあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、1)YM753の培養細胞における増殖抑制のメカニズムの解明を動物実験モデルを用いて抗腫瘍効果の検討を行うとともに、分解誘導効果の検討と、メカニズムの解明を進めていく。
|