2019 Fiscal Year Annual Research Report
Tumor suppressor function of BMCC1 in neuroblastoma
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17K10132
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
巽 康年 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 上席研究員 (00450578)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / アポトーシス / BMCC1 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫は小児の固形腫瘍の一つであるが、進行症例は難治性を示す。その一方で、予後良好症例において「自然退縮」という神経芽腫特有の現象が知られる。本研究課題では、「神経芽腫の悪性化機構の理解」を目指し、神経芽腫の予後良好性因子であり、がん抑制因子のBMCC1に着目し、これを介したゲノム維持機構の分子基盤解明を目的として、以下の2項目について研究を推進した。 『項目1. BMCC1によるATMリン酸化促進メカニズムの解明。』2019年度は、シスプラチンによってDNA損傷を受けた神経芽腫細胞がミトコンドリア経路のアポトーシスに至る過程において、BMCC1のmRNAおよび蛋白質が時期特異的に発現制御を受けること(アポトーシス初期におけるATM-E2F1依存的なmRNAの発現誘導とアポトーシス後期におけるCaspase-9依存的な蛋白質の分解制御)について解明し、BMC Cancer誌に責任著者として報告した。一方、BMCC1をノックダウンした神経芽腫細胞株は、細胞周期進行に影響を与えないものの、E2F1の発現低下とDNA損傷応答の減弱を伴うことを見出し、その分子メカニズム解明を進めた。 『項目2. BMCC1の発現低下を介したゲノム不安定性誘導と神経芽腫悪性化機構の解明。』2019年度は、BMCC1をノックダウンした神経芽腫細胞株のマイクロアレイ網羅的遺伝子発現解析より、BMCC1の発現低下がミトコンドリア異常と活性酸素産生に繋がる可能性を見出した。これは、BMCC1の発現低下を介したゲノム不安定性誘導と腫瘍悪性化メカニズムの一端と考えられる。また、先行研究で行った神経芽腫の難治性中間予後群70症例の全エクソンシークエンス結果について解析を進め、核ゲノムにコードされるミトコンドリア関連遺伝子の変異と腫瘍悪性化の関係性を見出した。以上の成果は、学術論文として投稿準備中である。
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Research Products
(8 results)