2018 Fiscal Year Research-status Report
BMPR2遺伝子改変ラットを用いた肺高血圧血管病変形成機序の解明
Project/Area Number |
17K10140
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
澤田 博文 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30362354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一男 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20181828)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 肺高血圧 / ラット / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムによるBMPR2ノックアウト K/Oラットは、申請書に記載した方法(BMPR2のExon1に位置するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)直上の標的配列に対してガイドRNA(sgRNA : TCGGGTGCCCTGGCTGTTAT)をデザイン)にて作成した。同ラットを野生型Sprague-Dawley(SD)ラットと交配し、産仔を得、直接シークエンスにて挿入欠損(InDel)を確認し、K/Oとし、野生型をコントロールとして実験に用いた。K/Oでは、1塩基挿入によるフレームシフトが誘導され、早期のタンパク質翻訳停止により、BMPR2タンパク質の低下、下流シグナルSmadリン酸化の低下が確認された。 ラットは7週齢時に、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤SU5416 (20mg/kg, Cayman)またはvehicle(Carboxy methyl cellulose溶液)を皮下投与し、続いて低気圧性低酸素(1/2気圧、10%酸素相当)を3週間暴露後に。その後正常酸素に戻し、2週間、5週間、10週間後の肺高血圧の評価、血管病変の評価を行った。SU5416・Hpoxiaにより、高度の血管病変の出現と肺高血圧が誘導された。BMPR2のハプロ不全により本モデルの肺高血圧がどのように影響を受けるか検討中である。また、PH進行、病変形成に伴いBMPR2の低下が認められる、モノクロタリン誘発ラットを用いてBMPR2の同モデルに置ける役割を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集により臨床的肺高血圧に見られる遺伝子型の導入が得られ、同ラットを用いて研究計画書の第2段階の肺高血圧の表現型解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集により臨床的肺高血圧に見られる遺伝子型の導入が得られ、同ラットを用いいて研究計画書の第2段階の肺高血圧の表現型解析を進めている。臨床的に遺伝子変異を持つ個体に認められる、低い浸透率、疾患重症度の違い、薬物治療への反応性などを動物モデルを用いて検討を続けていく予定である。
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Causes of Carryover |
年2回の学会参加(1回は海外を含む)を出張旅費として計上していたが、予定していた学会に当該年度は参加せず、次年度の旅費への支出として使用を計画している。また、当該年度に計画中の実験の一部の実施計画に遅れが生じており、次年度の使用を計画している。
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Research Products
(5 results)