2017 Fiscal Year Research-status Report
急性巣状細菌性腎炎の非侵襲的早期診断法および新規治療法の確立
Project/Area Number |
17K10142
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水谷 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10593303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松重 武志 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60528941)
長谷川 俊史 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90314806)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 上部尿路感染症 / 急性巣状細菌性腎炎 / インターフェロンγ / 高サイトカイン血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性巣状細菌性腎炎 (Acute focal bacterial nephritis, AFBN) は, 急性細菌感染症による腎実質内腫瘤を特徴とする上部尿路感染症の一形態であり,急性腎盂腎炎(Acute pyelonephritis, APN)に比して重症病型と考えられる. これまでに,AFBNでは APNに比して血清IL-6,IL-10だけではなく,IFN-γ濃度が有意に上昇するなど細菌感染症としては極めて特異な病態であることを明らかにしていた. このたび,AFBNの病態解明を目的に,新たなバイオマーカーを加えて検討を行った.結果,AFBN群ではAPN群に比し,年齢,有熱期間, 最高体温, 中枢神経症状合併率, 末梢血幼若好中球数, プロカルシトニン値,尿中β2ミクログロブリン/Cr値, 血清IL-6, IL-10, IFN-γおよびsoluble TNF-receptor1濃度が有意に高値であった.また, 多重ロジスティック解析ではAFBNとAPNを鑑別する因子として, 血清中IFN-γ, IL-6濃度が最も有用であることが示された (AUC= 0.86). 現在,本病態の重要なバイオマーカーと考えているIFN-γの産生源について検討を行っている.AFBNおよびAPN患者の末梢血単核球細胞内サイトカインの解析を行っているが,現在のところ明らかな産生細胞の同定には至っていない.また,正常ヒトメサンギウム細胞を用いて,LPS刺激による上清中サイトカイン, とくにIFN-γ濃度について検討したが,明らかな上昇は認めなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AFBNの病態, 特に炎症の過程にIFN-γが大きく関与しており,“IFN-γ過剰産生”の病態を分析することでAFBNの病態解明に迫ることができると考えている. このたび,尿中β2ミクログロブリン/Cr値が,IFN-γに強い相関があることが示され,AFBNの簡易的なマーカーになる可能性が示された.
|
Strategy for Future Research Activity |
IFN-γ産生源の検討を進め,AFBNの病態解明に繋げていきたい. 尿中β2ミクログロブリン/Cr値などを用いて,AFBNを判別する簡易式を作成する.
|
Research Products
(3 results)