2019 Fiscal Year Research-status Report
先天性門脈体循環シャント症候群を引き起こす遺伝的要因の解明
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17K10146
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 加奈子 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90400332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康成 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10380396)
内海 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (80253798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 先天性門脈体循環シャント / 全エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性門脈体循環シャントは致死的な肺高血圧症や肝性脳症、肝臓腫瘍を引き起こす。進行性に重篤な合併症をきたすため、無症状時に早期にシャント血管閉鎖を行う必要がある。次世代シーケンサーを用いた全エクソーム解析を行い、その疾患責任遺伝子を同定することが本研究の目的である。本研究を通じて、その発症メカニズムを解明し、早期診断および根治的な治療法を開発するトランスレーショナル研究の基盤構築に貢献することが期待される。 初年度は全エクソーム解析に先立ち、その表現型を解析するため当院の先天性門脈体循環シャント患者24症例の臨床経過を詳細にまとめ、生命予後を左右する肺高血圧症を防ぐためには早期のシャント閉鎖が重要であることをPediatric Pulmonology誌に発表し(Uike et al.,2018)、造影画像が同雑誌の表紙に採用された。新生児スクリーニングを契機とした先天性門脈体循環シャントの診断は24例中12例に留まり、早期診断に有用なマーカーが存在しないことが早期治療介入を遅延させる大きな課題であることを確認した。 Ion Torrent Systemを用いて6家系(18名)にトリオで全エクソーム解析を施行した。現在データ解析中であり、新規病因遺伝子の同定を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析対象患者のリクルートに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
データ解析により候補遺伝子の絞り込みを行い、サンガー法で検証する。検証できた遺伝子変異について、先天性門脈体循環短絡症の発端者のみ別検体で追加検証を行う。
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Causes of Carryover |
解析症例のリクルートが遅れたため、予定していた解析がまだ終了していないため。
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