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2020 Fiscal Year Research-status Report

ポドサイトのミトコンドリア機能を標的としたネフローゼ症候群の新規治療戦略の構築

Research Project

Project/Area Number 17K10154
Research InstitutionShowa University

Principal Investigator

阿部 祥英  昭和大学, 医学部, 准教授 (10384447)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywordsネフローゼ症候群 / アディポネクチン / ミトコンドリア / ポドサイト
Outline of Annual Research Achievements

ポドサイト(糸球体上皮細胞)のミトコンドリア機能を解析するには、千葉県こども病院にある細胞外フラックスアナライザー (XFe96) が必要であるが、コロナ禍の影響で施設間の往来が著しい制限を受けた。そのため、細胞実験を計画通りに進められず、「TGF-beta1が惹起するポドサイトのミトコンドリア機能変化に対するミゾリビンの効果」は昨年度得られた研究結果の公表に留まり、以下の課題「ネフローゼ症候群患児における血清アディポネクチンとその分画の推移」を代替研究として推進した。
ミトコンドリア機能改善に関与するアディポネクチン(ADPN)に着目し、ステロイド感受性ネフローゼ症候群の各病期(発症時、寛解直後、寛解期)において、血清の総ADPN値やその分画 [高分子量(HMW)、中分子量(MMW)、低分子量(LMW)] の比率がどのように推移するかを解析した。対象は、初発のステロイド感受性ネフローゼ症候群患児31名と対照児51名である。患児群における発症時、寛解直後、寛解期の血清総ADPNの中央値は、それぞれ 36.7 μg/mL、36.7 μg/mL、20.2 μg/mLで、対照群よりも高値であった。患児群における総ADPNに対する高分子量、中分子量、低分子量の比率(それぞれ、%HMW、%MMW、%LMW)の中央値は、発症時 56.9/27.0/14.1、寛解直後62.0/21.8/13.4、寛解期 58.1/21.7/17.5 であった。対照群と比較し、寛解直後の%HMW と発症時の%MMW は高値で、発症時と寛解直後の%LMW は低値であった。よって、ネフローゼ症候群患児において血清ADPN値は発症時に上昇し、病期によってその分画は変動することが判明した。蛋白尿とADPN分画が変動する機序に関してはさらなる研究を要するが、ネフローゼ症候群の発症においてミトコンドリア機能が関与する可能性を示唆できた点で重要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ポドサイト(糸球体上皮細胞)のミトコンドリア機能を解析するには、千葉県こども病院にある細胞外フラックスアナライザー (XFe96) が必要であるが、長期化するコロナ禍の影響で施設間の往来が著しい制限を受けたため、細胞実験が進まなかった。

Strategy for Future Research Activity

長期化するコロナ禍で制限される施設間の往来により、研究遂行に必要な細胞外フラックスアナライザー (XFe96) の使用も制限されている。状況により、制限が緩和されない場合は、以下の基礎研究と臨床研究を推進する。
基礎研究に関しては、TGF-beta1によって惹起されるポドサイトの活性酸素の産生亢進をミゾリビンが抑制するかをDCFH-DAを用いて解析する。この解析にはXFe96を要さず、自施設で行えるため、コロナ禍の影響を受けない。
臨床研究に関しては、ミトコンドリア機能改善に関与するアディポネクチン(ADPN)に着目し、ネフローゼ症候群患児においてADPN値が上昇する病態的意義を解明するため、ネフローゼ症候群で認められる低アルブミン血症や高脂血症がADPN値上昇の誘因になるか解析を進める。
また、コロナ禍においても影響を受けにくい研究を進めるため、慢性腎臓病に対するcoenzyme Q10の効果に関して、Systematic reviewを行う。

Causes of Carryover

コロナ禍の影響で施設間の往来が著しい制限を受け、千葉県こども病院にある細胞外フラックスアナライザー (XFe96) を計画通りに使用できなかった。それにより進行が遅れた研究を進めるため、基礎研究におけるプレートや検査試薬などの消耗品にかかる経費に使用する。また、臨床研究における患者血清のアディポネクチン値の測定に必要な経費に使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] ネフローゼ症候群2021

    • Author(s)
      阿部祥英
    • Journal Title

      薬局増刊号

      Volume: 72 Pages: 590-602

  • [Presentation] 低アルブミン血症はステロイド反応性ネフローゼ症候群における血清アディポネクチン増加の誘因か?2021

    • Author(s)
      阿部祥英、上條香織、玉井哲郎、日比野聡、櫻井俊輔、渡邉修一郎、渡邊佳孝、高柳隆章、渡邊常樹、水野克己
    • Organizer
      第55回日本小児腎臓病学会学術集会
  • [Presentation] TGF-β1が惹起するポドサイトのミトコンドリア機能変化に対するミゾリビンの効果2021

    • Author(s)
      阿部祥英、志村優、村山圭
    • Organizer
      第55回日本小児腎臓病学会学術集会WEB学会
  • [Presentation] 小児期発症ネフローゼ症候群におけるアディポネクチンの分泌調節機構とその役割の解明2020

    • Author(s)
      上條香織、阿部祥英
    • Organizer
      第366回昭和大学学士会例会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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