2019 Fiscal Year Annual Research Report
Kidney specific local activation of Nrf2 and its effects on renal injury in mice
Project/Area Number |
17K10155
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
新村 文男 東海大学, 医学部, 准教授 (30282750)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 抗酸化防御機構 / 腎障害 / シクロスポリン / 尿管結紮モデル / コンディショナルターゲティング / Keap1 / Nrf2 |
Outline of Annual Research Achievements |
Keap1の不活化はNrf2の分解を抑制し、結果として豊富となるNrf2は抗酸化防御の遺伝子発現(HO1,GSTM1,NQO1など)を増強する。本研究は腎尿細管特異的なKeap1不活化が腎障害を軽減する可能性を探るべく近位直尿細管特異的にKeap1を不活化したマウス(Ho/+マウス:遺伝子型[Keap1(flox/flox), KAP-Cre(+)])を用い、シクロスポリン(CyA)、および片側尿管結紮(UUO)による腎障害を検討した。対照群は野生型マウス(WT/-マウス)が理想だが、個体数が不足する状況ではHe/-マウス(遺伝子型[Keap1(flox/WT),KAP-Cre(-)])を用いた。CyA腎障害の検討では腎Keap1発現はWT群と比較しHo/+マウスでの抑制を確認した。腎HO1発現はHo/+群で高めだが有意差はなかった。腎GSTM1発現はHo/+群で有意に増強した。CyA投与後の腎障害を腎組織,腎TGFb1,Kim1発現により検討したが、Ho/+群での腎障害軽減効果は確認できなかった。CyA投与によるGSTM1,HO1の発現増強が目立たず理解に苦しむ結果だった。最終年度はCyAの短期投与による影響も検討したがGSTM1、HO1の発現増強を認めずその背景は不明だった。UUOの検討では個体数の制約から対照群にHe/-マウスを用いた。HO1は結紮/対側比で2前後の発現増強が認められ、Ho/+群においてやや増強したが有意ではなかった。GSTM1は結紮による発現増強を認めなかった。NQO1は結紮測で発現が抑制されたが、Ho/+群にてその抑制は有意に軽減された。腎組織はHo/+群でHe/-群と比較して間質の線維化や近位尿細管の障害程度が減弱していた。TGFb1,Kim1,RANTESの発現による腎障害の検討ではHo/+群にて有意に増強が軽減され、腎障害が軽減されていた。
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