2019 Fiscal Year Research-status Report
risk factors of the subsequent chronic kidney disease in very low birth weight infants
Project/Area Number |
17K10160
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上村 治 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10511644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 雅敬 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), なし, アドバイザー (00129652)
石倉 健司 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 器官病態系内科部, 医長 (30276307)
金子 徹治 帝京大学, 公私立大学の部局等, 特別専門員 (30639084)
平野 大志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90424663)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 極低出生体重児 / リスクファクター / 疫学調査 / 子宮内栄養不良 |
Outline of Annual Research Achievements |
極小低出生体重児(VLBWI)の慢性腎障害への進行のリスクを決定することを目的として,全国の周産期母子医療センター399施設に一次調査を送り,二次調査協力を承諾いただいた113施設に二次調査をお願いした.残念ながら,15施設ではあったものの675例のVLBWの3歳以上の小児のデータを集積することができた.このうち導入基準に適合した446例について解析した. 分析した予測因子には、3つの潜在変数(未熟性、子宮内栄養不良、新生児期のストレス)、および8つの観測変数(妊娠期間、出生体重のSDスコア、母体年齢、抗生物質と利尿薬による治療期間、母体喫煙、新生児期腎機能障害,晩期循環不全)を含めた。多変量解析としては,重回帰と共分散構造分析を行った.主要評価項目としては、3歳以上での推算糸球体濾過量(eGFR)とした. VLBWの446人の子供には、253人の男の子と193人の女の子が含まれており、平均年齢は5.8±2.6歳で、eGFRの平均は111.7 ml / min / 1.73m2であった。 1人の子供だけがステージ3 CKD(eGFR、55.7 ml / min / 1.73m2)であった。共分散構造分析では、子宮内栄養不良(β= 0.85)が,新生児期のストレス(β= -0.19)や未熟性(β= 0.12)よりも慢性腎障害に寄与することを示し、また新生児期のストレスの中では腎機能障害と晩期循環不全が重要な観測変数であった. VLBWの小児にとって,子宮内栄養不良は出生時の未熟性よりも将来の腎機能に有害であった。新生児期腎機能障害と晩期循環不全は、新生児期のストレスの中で腎機能の重要な危険因子でした。これらの影響を最小限に抑えるには、妊娠中の女性のダイエットや喫煙を避け、新生児科医は新生児へのストレスを最小限に抑える必要がある。 この研究は,現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケートの収集が当初の予定より遅れ,2019年2月までかかったことから,その分析も遅れた.しかし2019年末には解析が終了し,現在Archives of Disease in Childhoodに投稿中である.初期の研究計画より進捗が半年ほど遅れたが,研究内容については研究計画書に合致して進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究については現在投稿中であり,採択された折には論文を協力いただいた全国の周産期母子医療センターや腎臓小児科医に情報を共有していただく予定で,Open Accessとする予定である.また二次調査の協力をいただいた施設には,メールでのお礼とともに今後行う事後調査への協力もお願いし(症例対応表は各施設にお願いしてある),ほとんどの施設で承諾をいただいている. このコホートを利用して,さらに長期の腎予後を評価するとともに,肥満等の介在についても検討したい.
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Causes of Carryover |
研究計画より研究の遂行がおよそ半年ほど遅れたために,現在論文の投稿中である.そのために次年度使用額が生じた.使用計画については以下のとおりである. (1)論文が採択された後に,研究協力いただいた全国の周産期母子医療センターや腎臓小児科医に情報を共有していただく予定で,その為にもOpen Accessとする予定である. (2)二次調査の協力をいただいた施設には,メールでのお礼とともに今後行う事後調査への協力もお願いし(症例対応表は各施設にお願いしてある),ほとんどの施設で承諾をいただいている.事後調査の計画を立案していきたい. (3)今回の研究でアウトカムとなりうる”自閉スペクトラム症”,”注意欠陥多動症”などの情報も得ており,VLBWIのこれらの疾患へのリスクも検討してみたい.
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