2018 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた薬剤徐放による肺高血圧増殖病変の制御
Project/Area Number |
17K10163
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
根本 慎太郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20237811)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊井 正明 大阪医科大学, 研究支援センター, 講師 (10442922)
岸 勘太 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20408503) [Withdrawn]
島田 亮 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60795079)
小西 隼人 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40821814)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 肺高血圧 / 脂肪組織由来幹細胞 / 薬剤徐放 / スタチン / 血管増殖病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
【in-vivo】 モノクロタリン(MCT)で誘導される肺高血圧動物モデルを作成するに際し、昨年度では既報を参考にラットを用いたが既報の論文を元に作成したが治療介入の有無にかかわらずMCT投与4週後に約40%が死亡したため、本年度は動物をマウスに変更する予備実験を開始した。しかし、右室肥大や肺動脈壁肥厚等の肺高血圧に特徴的な病理組織が得られないためモデルの変更を余儀なくされた。他報告(Frontiers in Pharmacol, (9)1365, 2018)を参考に低酸素飼育と血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体拮抗薬(SU541)投与を組み合わせて肺高血圧誘導するマウスモデル作成に移行した。10%の酸素濃度に維持した低酸素チャンバー内にマウスを収容し、収容時および収容4週間までの毎週にSU541(620mg/kg)を静脈投与した。収容後3週間目以降に採取した肺組織では、肺組織線維化と肺動脈平滑筋の肥厚等の肺高血圧に特徴的な組織所見を呈していた。また動物の生存も良好でありモデルの完成を得た。 【in-vitro】実験動物の変更に伴いマウスからの脂肪組織由来幹細胞(AdSC)採取に変更した。鼠径部皮下から採取した脂肪組織を細断しコラゲナーゼ処理した細胞浮遊液からAdSCを分離回収する実験系の確立を開始した。同時に各種濃度のスタチンを結合させたナノ粒子をマウスAdSCに抱合させる実験を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【in-vivo】肺高血圧誘導をMCT投与から、低酸素飼育とVEGF受容体拮抗薬投与へと大きなモデル作成の転換を必要としたこと。また動物種をラットからマウスに変更した。その実験動物モデルの作成に予定外の時間を要した。 【in-vitro】AdSC採取をラットからマウスへの転換が必要となった。転換およびAdSC採取手技の確立に時間を要した。同時に増殖抑制対象とする肺動脈平滑筋細胞(PASMC)のマウスからの入手が困難であり、その他動物もしくはヒトPASMCの入手を検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
【in-vivo】上記方法による肺高血圧誘導マウスに、スタチンナノ粒子抱合マウスAdSCを静脈内投与し、肺高血圧所見の軽減についての有効性を評価する。カテーテルでの圧測定(右室圧/体血圧比の計測)、肺線維化と細小動脈血管壁肥厚た血管内腔閉塞などの組織学的重症度を観察する。。 【iv-vitro】様々な濃度のスタチン結合ナノ粒子を取り込ませた抱合マウスAdSCを作成する。PASMC増殖抑制評価では、ヒトまたはマウス以外の動物由来の市販品を購入し実施する。 今年度でこれらのデータを収集、次年度以降では研究成果を学会および論文で研究成果を発信させたい。
|
Causes of Carryover |
ほぼ計画に従い研究費の使用を行った。残金は次年度の消耗品購入費として使用予定。
|
Research Products
(1 results)