2018 Fiscal Year Research-status Report
Function of HDL cholesterol in patients after Fontan operation
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17K10167
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
大内 秀雄 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00517807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 正恒 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30532486)
大澤 麻登里 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, レジデント (40792180) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フォンタン / 高密度リポタンパク質 / アポリポタンパ質 / 死亡率 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度はフォンタン術後患者の高密度リポタンパク質(HDL)の主要な構成成分であるアポリポタンパ質の中でアポリポタンパ質A-1(apo A-I)とA2(apo A-II)測定の臨床的な意義を検討した。連続337例(20±9歳)の空腹時血中HDLコレステロール(HDL-C)、apoA-IとapoA-II濃度と臨床像、心血行動態、肝腎機能、そして検査後からの経過観察中の死亡との関連を検討した。フォンタン患者のHDL、apoA-IおよびapoA-IIは45±11、118±17および23.0±3.8で、各々31%、57%および74%で基準値以下で、apoA-IIの異常低値が最も多かった。apoA-Iの独立規定要因は体血圧のみで、apoA-IIの独立規定要因は体血圧、総ビリルビン、GGTとコリンエステラーゼであった(p < 0.0001)。経過観察中19例が死亡し、低HDL-C、apoA-IおよびapoA-II(全てp<0.01)が死亡を予測し、apoA-II のみが独立に関連し(p=0.038)、死亡を予測した(HR:0.85、95% CI:0.77-0.95、p=0.0021)。フォンタン患者では低HDL-CとともにapoA-IおよびapoA-II 濃度が低下し、特にapoA-IIの低下の頻度が高い。肝生成機能低下や予後との関連するapoA-IIの低下は新たなフォンタン術後病態であり今後の研究課題の一つと言える。この成果を第122回小児科学会総会にて報告した。 また、HDLのコレステロール引き抜き能(CEC)に関しては現時点で目標登録数である150例を超えて集積されており、これら患者の経過観察中での臨床事故との関連を調査中である。現時点でCECはHDL-CやapoA-I濃度と密接相関していることが明らかとなって来ているが、HYHAクラスや臨床事故との関連は明らかでない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの当該研究の進行は比較的順調である。ほぼ患者の登録は当初の予定より多く(100例のところを150症例を超えた)終了し、コレステロール引き抜き能(CEC)と抗酸化能を解析中である。併せて、これまでに報告されていなかったHDL-C低下やHDL-Cの主要な構成成分であるアポリポタンパ質A-1(apo A-I)とA2(apo A-II)の臨床的意義も明らかにすることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究の主要な目的であるフォンタン術後患者のHDLのコレステロール引き抜き能(CEC)と抗酸化能に関しての総合的的な解析を進める。これまでにフォンタン術後患者の低いHDL-Cの再確認され、その以上が死亡と関連することが明らかとなり、また、HDL-Cの主要な構成成分であるアポリポタンパ質の中でアポリポタンパ質A-1(apo A-I)とA2(apo A-II)測定の臨床的な意義も明らかとなった。これらのHDL-Cの量的な低下が、一般の一般人や循環器疾患の患者と同様に、フォンタン術後患者でも予後に密接に関連する注目に値すべき事実であることが初めて明らかとなってきた。 今後の最終的研究の段階として、HDLのコレステロール引き抜き能(CEC)と抗酸化能と心血行動態、心肺機能、予後といった臨床像との関連をを明らかとする。フォンタン術後患者を含んだ150症例以上のコホートの集積からフォンタン循環とそうでない通常のチアノーゼ性先天性心疾患患者との差も明確にすることが期待できる。現時点では抗酸化能を測定中であり、また、より長期的に患者を経過観察中である。
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Causes of Carryover |
研究分担者が使用している分を考慮すると、7744円のみの残高である。
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