2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel two-step cell therapy for perinatal hypoxic ischemic encephalopathy
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17K10175
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 義朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30435862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 博 名古屋大学, 工学研究科, 特任講師 (30634646)
長村 登紀子 (井上登紀子) 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70240736)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低酸素性虚血性脳症 / 細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)の新規治療法開発のため、ラット臍帯由来間葉系幹細胞(rUCMSC)の培養系の確立とHIEモデルの確立を行った。rUCMSCの細胞源として、F344/N Slc妊娠ラットを用いた。妊娠19日目に、帝王切開によって妊娠ラットから臍帯を採取し、細胞培養メッシュを用いて移植片培養を開始し、初代細胞を得た。その後、継代を行い、第三継代開始時点で得られた細胞の総数は、6.69±1.17×10^6細胞であった。得られた細胞を確認するために、フローサイトメトリーにより細胞表面マーカーの解析を行った。結果はCD90陽性、CD54陽性、CD34陰性、CD45陰性、CD44H陰性であり、得られた細胞は、ほぼ均一な間葉系幹細胞の集団であると考えられた。 次に、同系のF344/N Slc新生仔ラットを用いたHIEモデルの確立を行った。日齢7に左総頸動脈を二重結紮後、8.0%の酸素濃度に設定したインキュベータに入れ低酸素負荷を行うことでHIEモデルを作製した。HIEモデルの評価として、MRIによる画像評価を用いた。従来我々が設定していた60分間の低酸素負荷を行った場合、生存したラットの中で皮質や皮質下白質に梗塞所見を認めた割合は、21.5%(88匹中19匹)であった。一方、低酸素時間を75分とした場合、低酸素負荷後24時間以内に撮像した拡散強調画像では、94%(17匹中16匹)に細胞障害を示唆する所見を認めた。さらに、日齢11以降でのT2強調画像では、梗塞所見は88%(17匹中15匹)に認められた。このことから、F344/N Slc新生仔ラットでは、従来の我々の手法よりも長く低酸素負荷を行うことで、より高率にHIEモデルを得ることが出来ることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい培養系、新しいラット系でのモデル作製が確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
治療効果を検証するために、rUCMSCをHIEモデルラットに投与し、免疫組織学的評価や量子ドットや蛍光色素を用いた細胞生着の評価、行動学的解析を行う予定である。また、ヒト臍帯由来のMSCをHIEモデルラットに投与し、同様の評価を行うことで、同種由来の細胞と異種由来の細胞による治療効果の違いを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
免疫組織学的評価などを次年度としたため、抗体等の試薬を購入しなかったため。 次年度に購入予定である。
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