2018 Fiscal Year Research-status Report
Influence of Early Life Stress on the Brain Development
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17K10177
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 辰吾 香川大学, 医学部, 准教授 (50451430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 直樹 関西学院大学, 理工学部, 助教 (00450601)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
太田 健一 香川大学, 医学部, 助教 (50403720)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BDNF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新生児期においてシナプス発達の指標となる液性因子の同定を試みている。これまでの研究から、コレステロール代謝物である24HCが発達過程におけるシナプス形成のマーカーとなる可能性が示唆されてきたが、本年度は同様のマーカーとなり得る液性因子やペプチドホルモンを探索した。 具体的には、BDNFの刺激によって発達過程の神経細胞から分泌の制御が起こり得る蛋白質やペプチドの遺伝子の発現に注目し、その同定を試みた。ラット由来の初代培養神経細胞を用いてトランスクリプトーム解析を行った結果、BDNF刺激に応じて変動する複数の液性因子を確認することに成功した。これらの中には、既にBDNFによって発現誘導されることが知られる液性蛋白質やペプチドも含まれていたが、新規に誘導が確認された遺伝子を見出すことにも成功した。さらに、BDNFによって発現が減少する液性因子も確認することができた。この分子はラットの胎児期から生後初期におけるニューロンの発達に関与する分子として知られており、また脳脊髄液中にも放出されることが知られている。そのため、同分子の発現抑制がシナプス形成期の開始に関連する新しいマーカーとなる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度に実施する予定であった研究内容を本年度に実施し、次年度に行う予定であった研究を本年度に実施したが、全体の進捗状況としてはほぼ予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、24HC合成酵素であるCYP46の機能解析と新しく見出されたマーカー候補分子とシナプス形成殿関係解明を行う。そして、実際にストレスの付加がシナプス形成に影響を及ぼすことが知られているラット母子分離モデルを用いて、各シナプスマーカー候補分子の発現とシナプス形成が相関することを実際に確認する。
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Causes of Carryover |
研究の一部を次年度に持ち越したため、そのための研究資金を次年度に持ち越した。
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