2018 Fiscal Year Research-status Report
脳循環酸素代謝変化を指標とした新しい新生児蘇生法の確立
Project/Area Number |
17K10178
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
近藤 園子 香川大学, 医学部, 助教 (70437680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 真之 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (00380155)
小谷野 耕佑 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20437685)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
中村 信嗣 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (30437686)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳血液量 / 時間分解分光装置 / 低酸素虚血 / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は、低酸素負荷後30分における脳血液量の変化について解析を行った。そこで、蘇生後30分以内の脳血液量増加が、負荷後5日目の脳障害を反映することを明らかにした。すなわち、蘇生開始直前値からの増加量とHE染色による脳病理組織脳障害スコアが有意に相関した。この結果は国内の研究会で報告した(第21回日本光機能イメージング学会学術集会, 2018年7月 東京、第2回新生児基礎トランスレーショナル研究会 2019年2月 愛知)。また、生後早期の脳血液量変化についても臨床で計測を行い、分娩形式によりその変化が異なることを明らかにした。この研究結果では、従来測定されてきた脳内Hb酸素飽和度は分娩形式での違いがなかったが、CBV値については、経膣分娩グループの方が、値にばらつきがおおく、そして、出生後より明らかな低下を示した。しかし、帝王切開では、値のばらつきはなく、値の変動も少なかった(Pediatric Academic Society meeting 2018, Toronto)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CMRO2測定の際に必要なマイクロスフェレを用いた実験が困難であり、研究計画を一部変更せざるを得なくなった。また実験機器の故障も重なったため、研究計画の遂行に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、CMRO2測定の代わりに、CBV値について解析を進めていく。すなわち、脳障害とCBV増加の間に相関関係をみつけたが、脳障害の重症度について、蘇生時に治療介入となる中等症、重症例についてのCBV値を明らかにし、その治療介入(水素ガス)の開始基準値を決定する。
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Causes of Carryover |
今年度は実験計画の見直し、実験機器の故障などにより、実験が遅延したため、予定よりも使用額が少なくなった。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Hydrogen ventilation improves short term outcomes in HIE piglets.2019
Author(s)
Yinmon Htun, Shinji Nakamura, Tsutomu Mitsuie, Yasuhiro Nakao, Takayuki Wakabayashi, Satoshi Yamato, Wataru Jinnai, Aya Morimoto, Masashiro Sugino, Kosuke Koyano, Kenichi Ohta, Ikuko Kato, Sonoko Kondo, Makoto Nakamura, Saneyuki Yasuda, Takanori Miki, Masaki Ueno, Takashi Kusaka.
Organizer
第2回新生児基礎・トランスレーショナルリサーチ研究会
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[Presentation] 新生仔豚仮死モデルにおける水素ガス吸入療法による脳保護効果について.2019
Author(s)
中村信嗣, Yinmon Htun, 中尾泰浩, 光家努, 太田健一, 小谷野耕佑, 森本絢, 安田真之, 小西行彦, 加藤育子, 近藤園子, 三木崇範, 上野正樹, 日下隆.
Organizer
平成30年度文部科学省新学術領域研究 学術研究支援基盤形成先端モデル動物支援プラットフォーム成果発表会
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[Presentation] Impact of the delivery modes on cerebral hemodynamic patterns in term neonates during immediate transition period using near-infrared time- resolved spectroscopy.2018
Author(s)
Aya Morimoto, Shinji Nakamura, Masashiro Sugino, Yinmon Htun, Kosuke Koyano, Makoto Arioka, Noriko Fuke, Ikuko Kato, Yukihiko Konishi, Sonoko Kondo, Takashi Iwase, Saneyuki Yashuda and Takashi Kusaka.
Organizer
fNIRS 2018
Int'l Joint Research
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[Presentation] 中村信嗣, Yinmon Htun, 中尾泰浩, 光家努, 太田健一, 小谷野耕佑, 森本絢, 安田真之, 小西行彦, 加藤育子,2018
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[Presentation] Hydrogen Inhalation improved Motor Function in Neonatal Hypoxic Ischemic Piglet Model.2018
Author(s)
Yinmon Htun, Yasuhiro Nakao, Satoshi Yamato, Wataru Jinnai, Aya Hashimoto, Masashiro Sugino, Shinji Nakamura, Kosuke Koyano, Ikuko Kato, Sonoko Kondo, Makoto Nakamura, Saneyuki Yasuda, Takashi Kusaka.
Organizer
第54回日本周産期・新生児医学会学術集会
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[Presentation] 分娩形式は出生直後の新生児・脳循環酸素代謝変化にどのように影響を与えるか?2018
Author(s)
森本絢, 中村信嗣, 杉野政城, 横田崇之, 有岡誠, 福家典子, Yinmon Htun, 小谷野耕佑, 小西行彦, 近藤園子, 加藤育子, 安田真之, 岩瀬孝志, 日下隆.
Organizer
第21回日本光機能イメージング学会学術集会
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