2018 Fiscal Year Research-status Report
Smad3部位特異的リン酸化に着目した多発性嚢胞腎における病態解明と治療薬の開発
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17K10189
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 匡 和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (30726716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 浩一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50336880)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 嚢胞性腎疾患 / cpkマウス / smad3リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性嚢胞腎では嚢胞生上皮細胞の極性が消失することで、増殖・分泌・細胞外基質異常が引き起こされ、その結果、嚢胞増大とともに線維化が進行し腎不全にいたる。cpkマウスは嚢胞性腎疾患(PKD)の原因遺伝子産物の一つであるシスチンが障害されたモデルでありARPKDモデルとして世界中で解析されている。そのcpkマウスと正常マウスにおいて、生後14日、21日で腎を抽出した。まず、E-cadherin、α-smooth muscle actin(α-SMA)、snail1の抗体を用いて免疫染色を行い、間葉系の表現形を評価した。また本研究のターゲット分子であるSmad3は、TGF-βに関連しPKDにとって極めて重要な経路と考えられている。TGF-βレセプターによって活性化されたSmad3は核内に移行し、標的遺伝子の転写因子として作用する。Smad3のリン酸化部位は分子の中間に存在するリンカー部とC末端部があり、 それぞれ一方がリン酸化されたpSmad3L、pSmad3Cと、リンカー部、C末端部の両方がリン酸化されたpSmad3L/Cが形成されることがわかっている。そこで、cpkマウスと正常マウスから生後14日、21日の腎を抽出し、TGF-β、pSmad3L、pSmad3Cの特異的抗体を用いて、その分布を評価し、TGF-β、pSmad3L、pSmad3C抗体を用いてWestern Blottingを行なった。 今後はc-Jun N-terminal kinase(JNK)、cyclin dependent kinase 4(CDK4)、およびc-Mycの抗体を用いたWestern Blottingを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在、研究機関から離れた公的病院で勤務しており、研究データの統計的解析、文献検索を中心に進めている. しかしながら、解析に必要なデータの収集が不可能なため現時点で目立った実績が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点でのデータ解析、c-Jun N-terminal kinase(JNK)、cyclin dependent kinase 4(CDK4)、およびc-Mycの抗体を用いたWestern Blottingや、繊維化評価のためにマッソントリクローム染色など、新たなデータ収集を行い、学会発表、論文作成の準備をすでに行なっている。
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Causes of Carryover |
研究機関より離れた公的病院での勤務のため研究費の拠出が予定よりも下回った。次年度に研究の継続を予定している。
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