2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathology and development of therapeutic agents in polycystic kidney disease focusing on Smad3 site-specific phosphorylation
Project/Area Number |
17K10189
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 匡 和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (30726716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 浩一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50336880)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 嚢胞性腎疾患 / cpkマウス / smad3リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性嚢胞腎は増殖・分泌・細胞外基質異常が引き起こされ、その結果、嚢胞増大とともに線維化が進行し腎不全にいたる。cpkマウスは嚢胞性腎疾患(PKD)の一種であるARPKDモデルとして世界中で解析されている。Smad3は、TGF-βとともに嚢胞上皮や上皮間葉移行において関与が示唆されている。そのリン酸化部位はC末端部、リンカー部、その両方のアイソフォーム(pSmad3C、pSmd3L、pSmad3L/C)が知られている。PKDにおけるSmad3リン酸化については不明な点が多く、今回、cpkマウスにおいてpSmad3C、pSmd3L、pSmad3L/Cの発現、およびその関連分子について検討した。 E-cadherin、α-smooth muscle actin(α-SMA)、Snail 1の抗体を用いて免疫染色を行ったところ、cpkマウスの嚢胞上皮で、E-cadherinの発現の減弱、α-SMAの増強、及びSnail 1の発現の増強が認められ、嚢胞上皮が間葉系の表現系を確認した。次に、TGF-β、pSmad3L、pSmad3Cの特異的抗体を用いてその分布を評価したところ、pSmad3Lの発現がcpkマウスの尿細管上皮の核で有意に増強している一方で、TGF-βとpSmad3Cはcpkマウスと対照に同程度の発現を示していた。さらに、TGF-β、pSmad3L、pSmad3C、c-Jun N-terminal kinase (JNK)、cyclin dependent kinase 4(CDK4)、及びc-MycについてWestern Blottingを行い、pSmad3L、JNK、CDK4とc-Mycがcpkマウスの核で有意に上昇していた。pSmad3L/Cは免疫沈降でcpkマウスにおいて有意な発現を認め、嚢胞形成・増大に関与することが確認された。
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