2022 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of early human milk fortification on extremely preterm infants
Project/Area Number |
17K10193
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
板橋 家頭夫 昭和大学, 医学部, 名誉教授 (00223074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 早産児 / 母乳強化療法 / 経腸栄養 / 子宮外発育不全 / 低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
強化母乳栄養(HMF)は極低出生体重児の標準的な栄養管理であるが、現状では子宮外発育不全を予防することができない。この要因には①母乳中の栄養成分の個体差や変動、②HMFを開始する時期が遅いことが挙げられる。本研究の目的はtargeted HMFにより母乳中たんぱく質の個体差および変動を最小限にし、より早期からHMFを開始するearly HMFと従来のHMF(delayed HMF)の効果と安全性を比較することである。 出生体重1,500g未満の児55例を対象とし、early HMF群(26例)とdelayed HMF群(29例)の2群に無作為に割り付けた。HMF開始日齢の中央値はearly HMF群で日齢7(範囲 4-17)、delayed HMF群で日齢9(範囲 5-22)であり、early HMF群で有意に早かった(p<0.001)。経腸栄養が確立した日齢(日齢10 vs 日齢9)、静脈栄養から離脱した日齢(両群とも日齢12)は2群間で差はなかった。壊死性腸炎を発症した児はおらず、慢性肺疾患、未熟児網膜症などの罹患率に差はなかった。修正40週前後の体格評価では、体重(34.6% vs 20.7%)、身長(57.7% vs 69.0%)、頭囲(11.5% vs 0%)のEUGR発生率、修正1歳半時点での発達遅滞(発達指数 70未満)の発症率に差はなかった。 early HMFがfeeding intoleranceを増加させることなく、安全に実施可能であることが示唆されたが、児のアウトカムに差は認められなかった。近年、経腸栄養プロトコールを標準化することが児の発育不全や合併症罹患率を減少させることが報告されている。本研究では両群ともに栄養管理プロトコールが標準化されていることによって児のアウトカムが向上し、2群間のアウトカムに差が生じにくかった可能性がある。
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