2017 Fiscal Year Research-status Report
The critical role for fibroblast in RDEB-SCC patients
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17K10223
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秦 洋郎 北海道大学, 医学研究院, 診療講師 (90399915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宏 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00146672)
柳 輝希 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (50755973)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 皮膚腫瘍学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、劣性栄養障害型表皮水疱症(Recessive dystrophic epidermolysis bullosa: RDEB)患者の線維芽細胞の機能解析をおこない、RDEBにおける「創傷治癒障害」と「有棘細胞癌発生」の病態解明を目指す。具体的には、RDEB患者線維芽細胞に特異的な分子発現(遺伝子およびタンパクレベル)を同定し、その分子が「創傷治癒障害」および「有棘細胞癌発生」に関与するメカニズムを明らかにする。
本研究課題において以下を実施した。北海道大学病院皮膚科に過去もしくは現在通院中のRDEB全患者(40例)およびその患者に生じた有棘細胞癌発生状況(40例中3例に生じている)のリスト化、臨床情報の収集を実施。RDEB患者における有棘細胞癌部および非癌部(コントロール部)の臨床検体の収集(ホルマリン、凍結検体)。合計40箇所以上の有棘細胞癌部検体および非癌部検体を得た。RDEB有棘細胞癌部および非癌部の線維芽細胞の初代培養の実施。RDEBモデルマウス(Ⅶ型コラーゲン欠損マウス)を樹立した。RDEB患者線維芽細胞が有棘細胞癌の増殖に寄与しているかどうかを検討するために、免疫不全マウスに対する異種皮下移植モデルを作成し、腫瘍形成能を解析した。具体的には、皮膚有棘細胞癌A431細胞と線維芽細胞を混合し、免疫不全マウス(Nu/Nuマウス、メス5週齢)の皮下に注射し、腫瘍の大きさを経時的に観察した。この実験では、RDEB患者線維芽細胞と正常線維芽細胞には差が認められなかった。今後、RDEB患者線維芽細胞と、正常線維芽細胞、RDEB―SCC周囲がん関連線維芽細胞について、RNAを用いた網羅的発現解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RDEB患者由来線維芽細胞について、それ自身での明らかな細胞表現型がみとめられていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後RNAレベルでの解析などを行っていく。 コラーゲン発現の差による、線維芽細胞の遊走能・浸潤能に差がないか解析していく。
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