2017 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞の免疫調整作用による新規乾癬治療法の開発
Project/Area Number |
17K10224
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 弘前大学, 医学研究科, 教授 (60196334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表皮水疱症 / 間葉系細胞 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は世界に先駆け、乾癬表皮細胞が炎症性サイトカインを誘導するretinoic acid-inducible gene-I (RIG-I)を強く発現していることを明らかにした (Kitamura, Matsuzaki et al, J Dermatol Sci, 2007)。また、紫外線 (UVB)がそのRIG-I発現を抑制することを見出し、RIG-I強発現や過剰な「自然免疫」反応を抑制することが乾癬治療にとって重要であることを証明した(Kimura, Matsuzaki et al, J Dermatol Sci, 2012)。乾癬皮膚の過剰な炎症反応を抑制する手段として、我々は免疫調整作用をもつ間葉系幹細胞に着目し、乾癬モデルマウスに局所投与したところ、皮膚症状は著明に改善し局所でのIL-17、TNF-αの発現も抑制することを証明した(Rokunohe, Matsuzaki, et al, J Dermatol Sci, 2016)。 本研究では、簡便に採取可能な脂肪由来の間葉系幹細胞(adipose tissue-derived mesenchymal stem cell: ASC)を用いる。ASCは骨髄系幹細胞に比べて、①採取が容易、②細胞の増殖速度が速い、③成長因子の分泌が多い、といったメリットがある。我々は、間葉系幹細胞がもつ ①傷害・炎症部位に幹細胞が集まるホーミング効果、②免疫抑制効果、を最大限利用し、炎症性皮膚疾患である乾癬をコントロールする治療法を開発することが研究の目的である。主に、病変に集積する間葉系幹細胞の細胞接着分子の解析、幹細胞から産生されるサイトカインの樹状細胞、リンパ球に与える影響を解明する。臨床応用に展開するための基盤となる研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に実施予定としていた間葉系幹細胞の免疫抑制作用の解析において、問題なく遂行できており、一定の成果が出ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ASCの乾癬病変に与える影響を確かめるため、TLR7のリガンドであるイミキモドをマウスに連日塗擦、人工的に乾癬病変を作成する。培養mASCを静脈投与し乾癬の皮膚症状を経過観察する。 1) mASCの採取、機能解析:①C57BL/6マウス鼠径より脂肪を採取、コラゲナーゼ処理後細胞を回収、培養。②FCM・ソーティングでCD31、CD45陰性、CD90、CD105、Sca1陽性の細胞を回収、mASCとして培養する。③培養中の培養液を用い、サイトカイン産生をELISA解析する。 2) 乾癬モデルマウスの作成:①C57BL/6背部皮膚にイミキモドを連日外用する。乾癬様紅斑局面が出現する時期を確認、組織学的に乾癬と一致する所見が得られるか確認する。②イミキモド外用による乾癬病変を作成、培養mASC(1×106個)を尾静脈から投与。③イミキモド外用を継続しながら、乾癬病変の臨床的な改善度を経時的に観察。④14日後、mASC非投与群も含めて皮膚生検を行い、組織学的検討を行う。 3) mASCの乾癬病変での局在の確認:①培養mASCを生細胞染色キットにて蛍光でマーキングする。②イミキモド誘導性乾癬モデルマウスに尾静脈投与、14日後皮膚生検する。③蛍光顕微鏡で蛍光mASCの存在を確認する。 4) mASCのTh1、Th17、Tregに与える影響:イミキモドで誘導させた乾癬病変をもつ耳介からリンパ球を収集、Treg、Th1、Th17をソーティングで回収。個別にmASCと共培養し、サイトカイン産生の変化、mASCの細胞接着分子の発現の変化を確認する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Effcts of halothane anesthesia on electrocardiogram parameters.2017
Author(s)
Nozaki S, Ogata Y, Yonekura M, Han C, Niwa H, Kushikata T, Hirota K, Matsuzaki Y, Tomita H, Imaizumi T, Itagaki S, Sawamura D, Murakami M.
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Journal Title
Hirosaki Med J
Volume: 67
Pages: 129~135
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prevalence of skin infections caused by Panton-Valentine leukocidin-positive methicillin-resistant Staphylococcus aureus ?in?Japan, particularly in Ishigaki, Okinawa2017
Author(s)
Takadama S, Nakaminami H, Aoki S, Akashi M, Wajima T, Ikeda M, Mochida A, Shimoe F, Kimura K, Matsuzaki Y, Sawamura D, Inaba Y, Oishi T, Nemoto O, Baba N, Noguchi N
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Journal Title
J Infect Chemother.
Volume: 23
Pages: 800~803
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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