2017 Fiscal Year Research-status Report
NK細胞活性化によるアトピー性皮膚炎の新規治療の開発
Project/Area Number |
17K10230
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸 史子 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (60402707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 博雄 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70302487)
茂木 精一郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20420185)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの疫学調査で、乳幼児期までの成育環境が、その後のアレルギー疾患の発症に影響を及ぼすことが分かっている。このことは衛生仮説(hygiene hypothesis)として提唱されている。すなわち、過度に清潔な環境下ではアレルギー疾患の発症率が高く、逆に適度に細菌、ウイルス、寄生虫への曝露がある場合はアレルギー疾患の発症率が低下する。このメカニズムはいまだ不明である。私たちは、アトピー性皮膚炎モデルマウスに寄生虫を感染させ、皮膚炎の発症の抑制、症状の軽快が生じるメカニズムを実験的に解明し、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患の有効な治療法に繋げることを目標として研究を行っている。特に、Natural Killer (NK) 細胞に焦点を当て研究を行っている。 NC/Ngaマウスにマラリアを感染させることにより、皮膚局所でNK細胞が増加し、湿疹病変が改善することを確認している。NK細胞の内、どのタイプのNK細胞、すなわちNK1、NK2、regulatory NK のいずれのサブタイプが増加しているか確認している。アトピー性皮膚炎患者においては末梢組織および血液中のNK細胞の減少、NK細胞からのIFN-γの産生低下が言われており、NK細胞の研究によりアトピー性皮膚炎患者の免疫機構におけるTh2への偏位や、易感染性を説明できる可能性がある。これまでにNC/NgaマウスにおけるNK細胞の役割を詳細に調べた報告はなく、SPF condition NC/Ngaマウスとconventional condition NC/Nga マウスにおけるNK細胞の分布や機能を明らかにしつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究を順調に行っているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た成果を用いて、予定していた研究を遂行する。
|
Causes of Carryover |
理由: 予定していた予算に基づき使用していたが、未使用の予算が生じたため。 使用計画: 予定している研究を遂行するための物品の購入に使用する。
|