2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10235
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小川 陽一 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20377542)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 樹状細胞 / ヒスタミン受容体 / 血小板活性化因子 / HIV |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに, 単球由来樹状細胞 (mDC)を用いて, mDCにヒスタミン受容体 (HR) 1, 2, 4がmRNA, 蛋白レベルで発現していることを確認し, HR1, HR2, HR4 agonist & antagonistで前処理したmDCにおけるHIV-1感染を検討したところ, HR2 antagonistが有意にmDCにおけるHIV-1感染を抑制すること, また肥満細胞から産生される血小板活性化因子 (pletlet activating factor;PAF)もmDCにおけるHIV-1感染を抑制すること, を見出した。今年度は, "HR2 antagonistとPAFのmDCにおけるHIV-1感染抑制メカニズム"について検討を行った。LPSによるmDC活性化をFACSにてCD83, CD86の発現で評価したところ, HR2 antagonist, PAF存在下ではmDCの活性化が抑制された。また, HR2 antagonistはHIV受容体であるCD4を発現を低下し, PAFはHIV受容体であるCCR5の発現を低下した。さらに, HR2 antagonist, PAFは内因性抗HIV因子のひとつであるAPOBEC3Gの発現を増強した。したがって, HR2 antagonist, PAFはHIV受容体の発現低下, また内因性抗HIV因子の発現増強を介してmDCにおけるHIV-1感染を抑制することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題に対して, 現象, およびその現象を説明するメカニズムが解明された。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで実験に使用している単球由来樹状細胞 (mDC)はヒト単球をサイトカインで分化させた樹状細胞様細胞である。したがってphysiologicalなconditionを完全に再現しているとは言えない。今後は、ヒト皮膚真皮あるいは膣粘膜固有層に存在する樹状細胞を単離し, これまでの知見が再現されるか検討し, 再現されれば論文作成に取り掛かる。
|
Causes of Carryover |
当初の計画より研究が順調に進んでいるためと考える。今後の研究で残額の助成金は必要不可欠である。使用計画として、ヒト皮膚あるいは膣組織から樹状細胞を単離する酵素、樹状細胞単離のためのMACS beads、各種抗体、HIV virus購入に使用する。
|