2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of mechanism how environmental factors induce atopic dermatitis and exploring new treatments
Project/Area Number |
17K10236
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小川 英作 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20451586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木庭 幸子 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20436893)
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アトピー性皮膚炎 / AhR |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにAhRによるTSLP やIL-33 の誘導機構の解析およびAhR活性化による樹状細胞やILC2 の変化の解析を行った。 そして、前年度の最後の方で計画していた、AhR活性化による樹状細胞の解析について、AhR-CAマウスの皮膚より、炎症細胞を分取し、フローサイトメトリー法を用いた解析を現在行なっている。まず、ワイルドタイプ(WT)マウスを用いて、フローサイトメトリーの条件検討を綿密に行い、皮膚サンプルから血球系の細胞の抽出をできた。そして、AhR-CAマウスと同腹のWTマウスを比較して行なった。WTマウスに比べ、AhR-CAマウスでは、白血球系の細胞が優位に増殖していた。そして、樹状細胞も増殖傾向にあった。さらに、あるタイプの樹状細胞は増殖、他のタイプは著変ないといった変化が認められた。近年、ランゲルハンス細胞を代表とする皮膚の樹状細胞には様々な機能別に分けられている。このマウスの炎症誘発には、どの樹状細胞が重要かについては未だ不明である。 そして、フローサイトメトリーで使用したマウスより、皮膚組織サンプルも回収した。フローサイトメトリーと同じ傾向にあるかどうかについて、免疫染色を用いて、炎症細胞、樹状細胞について、増減しているかどうかを検証した。概ね同じような傾向があった。 ILC2についてもフローサイトメトリーで検討しており、WTマウスに比べ、AhR-CAマウスでは、増加傾向にあることがわかった。 Th2優位の炎症に至る機序にはいくつか経路があり、現在樹状細胞とILC2について検討している。しかし、分子機序については明らかでないため、シグナル伝達についても考察をしている最中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度計画していた、アトピー性皮膚炎モデルマウスにおけるAhR アゴニストの効果についての解析には至らなかった。それは、前年度に行う予定であった、フローサイトメトリーの条件検討に時間がかかったことやAhR-CAマウスの取り扱いが難しかったことが理由としてあげられる。 また、AhR agonistについては、発がん性のあること、以前の研究の経過より炎症程度が低いかもしれないことから、引き続きAhR-CAマウスを用いた実験を進めたいと考える。特にAhR をantagonist で抑制することで生じる変化も解析を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、研究が遅れがちになっている。この理由は、上記のようにフローサイトメトリーが難しいことである。これは、検討してクリアできたため、順次研究は進めることができると考える。また、マウスの維持繁殖が難しいこともあるが、大きめにコロニーを維持してクリアしたいと考える。 WTマウスにAhR agonistを添加する実験については、あまりうまく炎症を誘導できない可能性があるため、agonistの選定を慎重にしたいと考えている。 また、AhR-CAマウスでなぜTh2優位の炎症が起こるかについては、様々な経路の関与が示唆されており、当初の計画以上にいくつか検討事項があると考えている。
|
Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)当初計画よりも遅れが生じており、予定していた実験のうち抗IL-33抗体をトランスジェニックマウスに投与する実験を行えなかったために、次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度使用額は平成31年度請求額とあわせて、抗IL-33抗体投与実験並び当初予定の消耗品費として使用する予定である。
|