2018 Fiscal Year Research-status Report
毛包の免疫寛容とその破綻における免疫チェックポイントPD-1/PD-L1の関わり
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17K10238
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 泰介 浜松医科大学, 医学部皮膚科学, 准教授 (90293638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 円形脱毛症 / PD-L1 / PD-1 / immune privilege / dermal sheath cap cell |
Outline of Annual Research Achievements |
正常な重要組織には免疫的に寛容な組織が存在し、 immune privilege (IP)と称されている。胎盤や中枢神経、前眼房、精巣や卵巣のみならず、成長期毛包も免疫的に寛容であり、hair follicle IP (HF-IP)といわれている。HF-IPはいくつかの要素によって維持されているが、PD-1やそのリガンドであるPD-L1といった免疫チェックポイントの関わりは不明である。 一方、疾患との関わりとしては、HF-IPが破綻し、毛包由来の自己抗原がNKG2D+CD8+細胞障害性T細胞によって認識されることで自己免疫性脱毛症(円形脱毛症)が発症すると理解されており、このHF-IPの破綻とPD-1/PD-L1といった免疫チェックポイントの関わりについて検討することによって、円形脱毛症などの自己免疫性脱毛の発症機序をさぐることができると考えている。免疫染色においてC3H/HeJメス正常マウスにおいてPD-L1は毛包周囲の特にdermal sheath cap cellに発現していることが示唆された。成長期毛包では発現がみられているが、休止期に入るとその発現は減弱する傾向にあった。これは成長期毛包がHF-IP環境であることと一致する。
一方円形脱毛症病変部においては浸潤する肥満細胞においてPD-L1発現が減弱しており、炎症細胞における免疫寛容が破綻している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の多忙によるための遅延が最も大きな要因であるが、PD-1 KOマウスの樹立が遅れていることが一つの要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
PD-1-KO-N12 (BALB/c)を理化学研究所 バイオリソース研究センターより購入し、自己免疫性脱毛を自然発症するC3H/HeJと戻し交配を行い、C3H/HeJ背景のPD-1KOマウスを作成する。C3H/HeJと比較してPD-1KO C3H/HeJマウスにおける自己免疫性脱毛症の発症率の変化や脱毛症状の変化などについて検討をする。
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Causes of Carryover |
KOマウスの作成について実行が遅れているため
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