2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research into Blau syndrome using disease-specific iPS cells
Project/Area Number |
17K10243
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 ゆり 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (70507079)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブラウ症候群 / NOD2 / iPS細胞 / IFN-γ / 自己炎症性疾患 / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
1.自己炎症性疾患であるブラウ症候群の患者6人から得た血液を元に、RNAシーケンスの解析を行うことができた。血液細胞の中で炎症に関与する単球をCD14+の細胞として分離し、マクロファージコロニー刺激因子存在下で1週間培養後、分化誘導された細胞をマクロファージ様細胞として実験に用いた。インターフェロンγまたはムラミルジペプチドで刺激したマクロファージ様細胞からRNAを抽出し、RNAシーケンスを実施した。GSEA解析や遺伝子発現量の比較等を実施した結果、変異遺伝子特異的に発現が変動する遺伝子を抽出することができた。この結果は、平成29年度に報告した疾患特異的iPS細胞を用いたRNAシーケンスの「変異遺伝子により通常でも炎症が活性化状態にある」という結果と一致しており、解析結果の確からしさを支持するものであった。他にも、患者が受けている治療を反映するような情報も得られており、これは病態の解明と治療の効果を結びつける有意義なデータとなった。
2.ブラウ症候群の原因遺伝子はNOD2で、常染色体優性遺伝であるため、患者は変異NOD2遺伝子と正常NOD2遺伝子をヘテロに持つことになる。変異NOD2タンパク質の動態を明らかにするため、変異NOD2遺伝子には3×FLAG-tagを付加し、正常NOD2遺伝子には3×HA-tagを付加したiPS細胞を作製した。CRISPR-Cas9システムで、それぞれのtagを導入することには成功したが、動態を解析するにはタンパク質としての発現が弱く不十分であった。そこで、変異NOD2遺伝子に3×FLAG-tagを付加したタンパク質を過剰発現する系を構築するため、レンチウイルスベクターを作製した。このベクターは293T細胞で機能し、タンパク質としての発現も十分であることが確認できたので、動態を解析するのに役立つことが期待できる。
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