2021 Fiscal Year Research-status Report
アトピー性皮膚炎におけるマスト細胞活性化制御分子の生体内スクリーニング法の開発
Project/Area Number |
17K10253
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
安藤 智暁 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (10724669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マスト細胞 / IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアトピー性皮膚炎モデルにおいてマスト細胞の活性化・抑制に関わる分子をin vivoでスクリーニングする方法の開発を行う。昨年度までにIL1RL1分子の欠損がアトピー性皮膚炎に関わることが判明している。IL1RL1分子はマスト細胞のほか、2型自然リンパ球、一部のCD4陽性ヘルパーT細胞、線維芽細胞など多彩な細胞に発現が認められるが、骨髄由来マスト細胞を作製してIL1RL1のリガンドであるIL-33とIgEおよび抗原刺激を組み合わせると、炎症性サイトカインの増加が認められたことから、スクリーニングのポジティブコントロールとしてIL1RL1およびIgE受容体を選定した。また、昨年度までに活性化状態の記録方法についての検討を行い、細胞内染色によるマスト細胞の活性化指標となる分子を骨髄由来マスト細胞を用いてフローサイトメトリー法での発現を確認したところ、MCP-1が鋭敏な指標となる可能性が示唆されていた。しかし、マウス皮膚に対して免疫染色を行ったところ、定常状態においてもMCP-1のタンパク発現がマスト細胞に認められたことから、in vivoにおいては、活性化指標分子としてMCP-1を利用することができないことが明らかになり、これまでのフローサイトメトリー法で骨髄由来マスト細胞を用いた活性化記録法の検討が十分でないことが判明した。また、本研究のスクリーニングにおいてはゲノム編集の手法を用いる予定であるが、昨年までにCas9を発現するレトロウイルスベクターの作製に成功したが、マグネットを利用した方法などを試みてもプライマリー細胞への感染効率が上がっておらず、Cas9をタンパク質として導入する方法など他の方法についても検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
In vitroにおいてはMCP-1が鋭敏な指標として利用可能であったが、in vivoにおいては、MCP-1が活性化の有無に関わらずタンパクとして発現していることが判明したため、活性化指標分子については別の分子を検索する必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
活性化指標の分子の選択まで遡る必要が生じたため、他の活性化候補分子(IL-6, IL-13など)についてもin vivoでの有用性についての再検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ対応および予見できなかった計画変更があり、研究が遅延したため次年度使用額が生じた。活性化指標分子の再検索に使用する予定である。
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[Presentation] Staphylococcus aureus d-toxin in skin promotes the development of food allergy following epicutaneous sensitization2021
Author(s)
Anna Kamei, Hiromichi Yamada, Kumi Izawa, Tomoaki Ando, Ayako Kaitani, Akie Maehara, Hexing Wang, Koji Tokushige, Shino Uchida, Nobuhiro Nakano, Ko Okumura, Jiro Kitaura
Organizer
第50回日本免疫学会学術集会
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[Presentation] CD300f suppresses IgE- and mast cell-dependent allergic rhinitis2021
Author(s)
Ayako Kaitani, Takuma Ide, Kumi Izawa, Anna Kamei, Tomoaki Ando, Akie Maehara, Hexing Wang, Koji Tokushige, Maeda Keiko, Nobuhiro Nakano, Ko Okumura, Jiro Kitaura
Organizer
第50回日本免疫学会学術集会
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[Presentation] Physiological expression of St6galnac1 protects mice from allergic conjunctivitis2021
Author(s)
Tomoaki Ando, Moe Matsuzawa, Saaya Fukase, Meiko Kimura, Kumi Izawa, Ayako Kaitani, Nobuhiro Nakano, Keiko Maeda, Ko Okumura, Akira Murakami, Nobuyuki Ebihara, Jiro Kitaura
Organizer
第50回日本免疫学会学術集会
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[Presentation] Pollen shells and soluble components play non-redundant roles in the development of allergic conjunctivitis2021
Author(s)
Saaya Fukase, Tomoaki Ando, Moe Matsuzawa, Meiko Kimura, Kumi Izawa, Ayako Kaitani, Anna Kamei, Goukyo Ou, Nobuhiro Nakano, Ko Okumura, Akira Murakami, Nobuyuki Ebihara, Jiro Kitaura
Organizer
第70回日本アレルギー学会学術大会
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[Presentation] 結膜におけるシアル化酵素の生理的発現がアレルギー性結膜炎の発症を抑制する2021
Author(s)
松澤萌, 安藤智暁, 深瀬紗綾, 木村芽以子, 伊沢久未, 貝谷綾子, 中野信浩, 前田啓子, 奥村康, 村上晶, 北浦次郎, 海老原伸行
Organizer
第125回日本眼科学会総会
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[Presentation] マウス花粉性結膜炎モデルの発症における花粉の粒子性と抽出成分の重要性2021
Author(s)
深瀬紗綾, 安藤智暁, 松澤萌, 木村芽以子, 伊沢久未, 貝谷綾子, 亀井杏菜, 王合興,中野信浩, 奥村康, 村上晶, 北浦次郎, 海老原伸行
Organizer
第125回日本眼科学会総会
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