2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of signaling pathway in squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
17K10256
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
原田 和俊 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20324197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 真樹 東京医科大学, 医学部, 助教 (40420989)
前 賢一郎 東京医科大学, 医学部, 助教 (60532257)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Wntシグナル / 組織特異的遺伝子欠損 / 毛包 / 皮膚腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は皮膚有棘細胞癌(SCC)及び附属器癌の発生メカニズムを解明することである。一般的に腫瘍は増殖シグナルの異常により発症するが、SCCの発症に関与するシグナル伝達系は完全に解明されていない。我々はWntシグナル伝達系に注目し、このシグナルの過剰な活性化が有棘細胞癌や附属器癌の発症に重要な役割を演ずるという仮説の検証を試みる。 本年度は、前年度樹立した表皮特異的APC欠損マウスに腫瘍を誘導するDMBAとTPAを外用し、皮膚に腫瘍を発生させ、Wntシグナルと腫瘍発生の関係を検討した。 その結果、表皮特異的APC欠損マウスは野生型マウスに比べ、腫瘍の発生数、発生時期などに変化はみられなかった。さらに発生した腫瘍を病理組織学的に検討したところ、表皮特異的APC欠損マウスに発生した腫瘍は毛包由来であることが判明した。このことは、Wntシグナルはマウスの皮膚腫瘍発生において、腫瘍の発生や増殖速度には影響を与えないが、腫瘍の分化に変化させることを示している。 また、本研究のもうひとつの目的は、遺伝子変異時期により腫瘍の増殖の速さや分化が変化するのかを解明することである。本実験系はtamoxifenを外用することで表皮特異的に目的とする遺伝子を欠損させることが可能である。従って、マウス皮膚にtamoxifenを塗布し、ターゲットとなるAPC遺伝子が欠損するかどうかを検討した。マウスからDNAを抽出し、Cre遺伝子をもち、APC遺伝子のExon14がloxP配列で挟まれていることを確認したマウスでは、tamoxifen外用により、組織学的に毛包の数が増えていることが確認された。 Wntシグナルが活性化すると毛包数が増えることが報告されているので、当該マウスではtamoxifen外用により、APC遺伝子が欠損していることが確認された。
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Research Products
(1 results)