2018 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症と診断されているニーマンピック病C型の調査及び非侵襲的鑑別法の検討
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17K10282
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
藤井 久彌子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70314151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾關 祐二 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90303768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統合失調症 / ニーマンピック病C型 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の症例に対して、異常不随意運動評価尺度、薬剤性錐体外路症状評価尺度で神経症状について評価をおこなうと同時に、ニーマンピック病C型への罹患の可能性を評価する上で、重要な評価方法であるNPC Suspicion Index の項目で注目すべき神経症状(垂直方向の核上性注視麻痺、ジストニア、失調など)を伴う症例5名を測定対象として、ニーマンピック病C型のバイオマーカーと考えられている尿中胆汁酸をLC/MS/MS、血清オキシステロール測定をQ-TOF LC/MS にておこなった。1名についてはDNAを第三者機関に依頼しイルミナHiSeq X Tenを用いて全ゲノムシークエンス解読をおこなった。また神経症状のない統合失調症群と健常対照群に対して、ニーマンピック病C型で変異が報告されている遺伝子:NPC1・NPC2遺伝子について、TaqMan法で、末梢血NPC1およびNPC2 遺伝子のmRNA発現量を測定し、beta-actinで半定量化し、比較検討した。 現時点での結果としては、バイオマーカーと考えられる生体内物質が、ニーマンピック病C型の可能性が濃厚と考えらえる異常値を示した症例が1名存在した。全ゲノムシークエンス解読をおこなった症例では、既知の遺伝子変異は認めなかったものの、イントロン部位に機能が明らかではない遺伝子変異を認めた。また、mRNA測定では、統合失調症群で有意に健常対照群より発現量が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経症状を伴う症例を対象に生体内物質の測定がおこなえており、また、神経症状のない統合失調症群に対して、健常対照群と比較して、mRNA測定を比較検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
測定対象を今後も増やしていくことを継続し、また、神経症状を呈していない統合失調症を対象として、生体内バイオマーカーといわれている物質の測定をおこない、ニーマンピック病C型の症例が存在する可能性をスクリーニングする。また、統合失調症群を対象に、NPC1・NPC2遺伝子のリシークエンスをおこない、生体内物質やmRNA発現との比較、ニーマンピック病C型の可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析には費用がかかるため、次年度に繰り越して、次年度分と合わせて遺伝子解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)