2018 Fiscal Year Research-status Report
異性間の絆の神経基盤に基づいたPTSDの治療・予防戦略の構築
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17K10290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
三井 真一 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (20295661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 麻衣子 (池澤麻衣子) 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (50701322)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Pair bond / Prairie vole / Social buffering |
Outline of Annual Research Achievements |
メスとpair bondしたオスのプレリーハタネズミ、および、オス同士飼育した個体(cagemate群)を用いてpassive avoidance testを行った。条件付け翌日に行ったメモリーテストでの暗室に入るまでの潜時について、cagemate群では条件付け前と比較して有意に遅延していたが、pair bond群では条件付け前後で有意な差異は認められなかった。また、メモリーテストでの暗室へ入室するまでの潜時は、pair bond群の方がcagemate群より有意に短かった。 さらに、恐怖条件付けの後、恐怖記憶の消去を行ったところ、pair bond群とcagemate群とは同様の時間経過をたどって記憶が消去されていった。これらの結果は、pair bondが恐怖記憶の消去ではなく、恐怖記憶の獲得を抑制していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pair bondが恐怖記憶の獲得を抑制することが明らかになり、その神経機構の解明に研究を進めることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はpair bondに関わる神経伝達物質を中心に、脳室、あるいは脳の特定領域にアンタゴニストやアゴニストを投与した後にpassive avoidance testを行う。行動学的解析と免疫組織学的解析を併せて、pair bondによる恐怖記憶抑制の神経機構について解析を進める。
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Causes of Carryover |
共同研究者が産前・産後休暇および育児休暇を取得したために分配した経費が未使用となったためである。次年度に復職するため、復職後に計画を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)