2017 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病の進展プロセスにおける血清アミロイドP成分の役割の解明
Project/Area Number |
17K10292
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
玉置 寿男 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (60345709)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アルツハイマー型認知症 / うつ病 / MCI / SAP / Aβ / VSRAD / eZIS / REST |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究実施計画では、50歳以上のうつ病入院患者を対象として、抗うつ療法(修正型電気けいれん療法(mECT)、経頭蓋磁気刺激療法(TMS)、薬物療法)の前後に血液検査(血清SAP、血漿Aβ濃度)、うつ病評価尺度、認知機能テスト、脳画像検査(脳MRI、脳血流SPECT)ならびにApoE遺伝子型検査を施行し、加えてすでに蓄積した53症例についても、血清中のSAP濃度を定量し、解析に加える予定であった。 一方、近年加齢脳におけるストレス反応と連動した神経保護因子としてrepressor element 1-silencing transcription factor (REST)が注目されつつある。神経細胞のRESTレベルはアルツハイマー病脳病理存在下での認知機能維持と関連し、血中RESTの低下は認知症リスクと関連することが報告されている。さらに興味深い点として、うつ病患者末梢血細胞でRESTの発現が低下していること、心理療法によるストレス低減の介入が血中RESTを増加させることなどが報告されている。うつ病から認知症へ進展するメカニズムを解明するという本研究の目的に照らしRESTは極めて関連が高いと考えられ、さらに以前から蓄積している血液サンプルを活用して測定が可能であることから、これを測定に含める意義は大きいと考えられる。現在、学内の倫理委員会の承認を得て測定する方向で準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RESTに関する近年の研究成果を踏まえて研究の方向性の修正を行っており、従来予定していたサンプルの測定はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
RESTを測定するにあたって、倫理委員会の承認を得てからSAPと合わせて測定に着手する。
|
Causes of Carryover |
現時点で新たな測定項目(REST)について検討ならびに倫理委員会に提出する準備段階のため、測定キットなどの購入を見合わせていることから未使用金が発生した。未使用金は平成30年度研究費と合わせ、測定キットなどの購入に充てる予定である。
|