2017 Fiscal Year Research-status Report
レム睡眠行動障害からレビー小体病の進展機構解明における包括的バイオマーカーの検討
Project/Area Number |
17K10302
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 浩祥 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 准教授 (00303785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
数井 裕光 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30346217)
渡邉 嘉之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20362733)
工藤 喬 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (10273632)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の研究計画に則り、特発性レム睡眠行動異常症(RBD)患者のベースラインデータ収集を進めた。通常診療の範囲を主として、高次脳機能評価、脳画像検査、終夜睡眠ポリグラフ検査などの睡眠評価による包括的なデータが集積されつつある。またこれまで継続して診療を行っているRBD患者についても、引き続き経年的なデータを蓄積しつつある。実際に、症候学的に病状の進行が疑われ、認知機能検査上も悪化が認められる対象者がみられている。 実臨床上、特発性RBDのみではなく、精査の結果、脳血管障害や軽度認知障害などの状態にある対象者も多く認められ、特発性RBD患者のみのコホートは対象者がかなり限定される状態にある。このため、特発性RBD患者を主な対象者としつつ、実際には2次性のRBD症状を呈する患者の病態背景も明らかにすることが必要と考えられた。このように、今年度はRBD病態の神経基盤の多様性を検討することの必要性が明らかとなった。 また、本研究を推進する上で、症候学的にはRBDの存在が疑われ終夜睡眠ポリグラフ検査を行うものの、実際には睡眠時無呼吸症候群やその他の睡眠関連疾患と診断されたり、合併が認められる対象者が多数存在することも明らかとなった。この点は、これまでの国内外の先行研究結果とも一致する結果であった。 次年度以降、特発性RBDおよび2次性RBDいずれもその神経基盤の相違による経時的な高次脳機能、脳画像、生理学的な変化について検討を進める予定である。また、RBD類似の症状を呈する疾患群の特徴も明らかにする方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は初年度のベースラインデータ収集を主に行っており、特発性RBD以外の2次性RBDも含め、おおむね順調に対象者のリクルートが進行しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、新規対象者のベースラインデータ収集を推進するとともに、特発性RBD患者を主とする対象者の経時的変化を検討することにより、その神経基盤と神経変性過程を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
当初想定よりも、特に旅費の使用が少なかった。これは、初年度ということもあり、今年度研究成果の結果報告までには到らなかったことが挙げられる。次年度はデータ収集が進むこともあり、最新の当該研究に関わる情報収集を含め学会等への出席頻度が大幅に増えることが想定され、翌年度分として請求した助成金とあわせて使用を行う予定である。
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Research Products
(2 results)