2017 Fiscal Year Research-status Report
健常高齢者の抑うつ状態および認知機能低下発現を予測するバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
17K10306
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
門司 晃 佐賀大学, 医学部, 教授 (00294942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 義人 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60467892)
立石 洋 佐賀大学, 医学部, 助教 (50457470)
松島 淳 佐賀大学, 医学部, 助教 (90773151)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健常高齢者 / 認知機能 / 抑うつ状態 / バイオマーカー / 脳画像 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.佐賀大学医学部精神医学教室では平成16 年から佐賀県伊万里市黒川町(平成22 年時点で人口3,502 人、高齢化率23.3%)において、65 歳以上の住民対象に健常高齢者疫学調査を3 回にわたり実施してきた(以下「黒川町研究」と表記)。黒川町研究では血液および唾液サンプルの採取と同時に、生活歴(飲酒、喫煙、内服薬)の聴取,ベックうつ病自己評価尺度(BDI-II)、認知機能(MMSE,FAB およびCDT)の評価,および頭部MRI の撮像を行ってきており,うつ状態,認知機能と各種バイオマーカーの前方視的評価を行うための基礎データを集積してきた。疫学調査研究期間以外にも当科教室員が定期的に現地に赴いており、平成28 年11月よりは第4 回目の現地調査を開始し、平成29年8月までに現地調査をすべて終了した。 2.健常高齢者疫学調査で行った心理検査(認知機能、抑うつ状態評価)および末梢血・唾液サンプルから得られた各種生化学指標について、測定及び評価を行った。 3.頭部MRI画像の経時的な定量的変化に関しては、コンピュータによる定量的な画像解析データを集積した。 4.心理検査の結果および各種生化学指標の結果と頭部MRI画像解析の結果のそれぞれの関連性を、これまでの現地調査を通じて縦断的に解析した。解析の結果で有意な所見が得られたものに関して、英語論文作成に着手した。 5.健常高齢者の精神的健康度と血中オキシトシン濃度との相関関係に関して、英語論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.平成28 年11 月から行っていた、伊万里市黒川町地区における第4 回目の健常高齢者疫学調査(認知機能評価、抑うつ状態評価、頭部MRI 撮像、末梢血・唾液サンプルの採取)を平成29 年度11月までに完了させることができた。 2.これまでの計3回の健常高齢者疫学調査で行った心理検査(認知機能、抑うつ状態評価)および末梢血・唾液サンプルから得られた各種生化学指標の測定および評価を終了したが、4回目の調査に関してはすべての完了はまだである。 3.心理検査および生化学指標のそれぞれの結果と頭部MRI画像の経時的な定量的変化との相関を検索し、複数の項目で相関関係を確認し、相関関係を確認できた項目についての英語論文作成に着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
伊万里市黒川町地区での計4回の健常高齢者疫学調査で行った心理検査(認知機能、抑うつ状態評価)および末梢血・唾液サンプルから得られた各種生化学指標それぞれと頭部MRI画像の経時的な定量的変化との相関関係の結果内容を順次英語論文発表するとともに、国内および国際学会で同内容を発表していく。
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Causes of Carryover |
現地調査によって得られたサンプルの生化学的解析に関しては、試薬等の効率的な使用により、その費用を抑えることが結果的に可能となった。また、今年度はデータ収集・解析を主とし、学会での本格的な発表は次年度以降としたので、学会費用も抑えることができた。
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