2017 Fiscal Year Research-status Report
反復性経頭蓋磁気刺激による大うつ病の治療メカニズム及び治療反応性予測因子の探索
Project/Area Number |
17K10307
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
立石 洋 佐賀大学, 医学部, その他 (50457470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門司 晃 佐賀大学, 医学部, 教授 (00294942)
浅見 豊子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (20222599)
西原 正志 佐賀大学, 医学部, 助教 (50516557)
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
大塚 貴輝 佐賀大学, 医学部, 助教 (70363439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 拡散テンソル画像 / 前頭葉機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
治療抵抗性大うつ病に対する反復性経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)による治療の際に、各種生物化学指標(高感度CRP、炎症性サイトカイン、コルチゾル、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ノルアドレナリン代謝産物(MHPG))を測定し、同時に脳画像検査(SPEC、MRI)及び認知機能としての前頭葉機能検査を行い、それらの結果からrTMSの治療機序を探索するとともに、それらの指標がrTMSの治療反応予測因子となり得るかどうか明らかにすることを目的としていた。 平成29年度はこれまで実施済みであった21症例に加え、4症例に対してrTMSを実施した。生化学指標として上記のコルチゾル、BDNFに加え、その他の生物学的指標(proBDNF、S-100B、IL-1β、MBP)について測定を実施したが、有意な所見は認めなかった。また、頭部MRI検査による拡散テンソル画像及び前頭葉機能検査結果について解析を行った。これまでの結果では、治療抵抗性大うつ病に対してrTMSの有効性は改めて示された。前頭葉機能の一部はrTMSにより有意に改善を示した。また、中前頭回の拡散テンソル画像によるfractional anisotropy(FA)の改善と一部の前頭葉機能の改善とが有意に相関を示した。rTMSの作用機序に前頭葉機能の改善とFAの改善が関与している可能性が示唆されることが判明した。得られた結果を2018年6月20日の日本精神神経学会の一般演題、2018年9月の日本生物学的精神医学会のシンポジウムで発表することが決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例がおおむね順調に集まっている。生化学指標のサンプルとして脳脊髄液の収集が平成29年度はなかったが、想定範囲内であり、脳脊髄液検査の同意はrTMS施行の同意とは別途設けているため、その他の検査を収集することができている。生化学指標との関連で有意なものが現時点では出ていないが、脳機能画像と前頭葉機能との関連について結果が出始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きrTMS治療の症例を集めていく。既に得られた知見について学会発表や論文作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度はサンプル収集と並行して随時検体測定、解析をおこなっている途中段階である。サンプルが十分収集された後に、最終的な検体に関する種々の測定を行う予定である。
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