2018 Fiscal Year Research-status Report
DAT-SPECTを用いたレビー小体型認知症の症状発現の解明および新たな治療応用
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17K10312
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 清樹 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50569035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 恵理 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30301401)
鵜飼 渉 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (40381256)
相馬 仁 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70226702)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 老年精神医学 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.レビー小体型認知症(DLB)の臨床診断基準において重要項目(suggestive features)である「Dopamine transporter SPECT (DAT-SPECT)」が日常診療でも使用可能となった。 2.DAT-SPECTの結果(Specific Binding Ratio:SBR)と(1)DLBの様々な臨床症状、(2)脳血流SPECT・MIBG心筋シンチグラフィーなどの画像所見、(3)血液・髄液などの検体から得られるバイオマーカー(APOE、脳由来神経栄養因子BDNFなど)との相関について網羅的解析を行う。3.DLBの治療(抗認知症薬、抗パーキンソン病薬、電気痙攣療法ECTなど)の前後において、DAT-SPECT所見の変化に着目し、治療効果判定などにも応用可能かを検証する。上記の解析結果を基に、症状発現に関する病態解明や治療の糸口を探ることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々はすでに、250例を越えるDLB患者に関する様々な情報をデータベース化している。そのうち、100例以上が既にDAT-SPECTを施行済みであるが、さらに対象を増やすことができた。当大学病院だけでなく、研究代表者が時に出張している砂川市立病院でサンプル数の増加に成功し、あとはデータを解析するだけである。
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Strategy for Future Research Activity |
脳血流SPECTを施行後、定量解析ソフト(3DSRT,FineSRT)による各領域の脳血流量を用いて統計解析する。3DSRTでは、解剖学的標準化を行った画像に対して、一側につき12のセグメントに分類される自動ROIにて各領域の脳血流量が算出できる。さらに細かなROI設定が可能なFineSRTにて、線条体(尾状核や被核)における脳血流量を求める。線条体は、DLBにおいてDAT-SPECTで異常所見を呈する部位であることから、同部位における脳血流量との相関については興味深く、この解析をまず行い、そのうえで臨床症状などを含めた網羅的解析を行う。
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Causes of Carryover |
1.国際学会が2019年3月末にあり、3月31日に帰国。旅費や参加費が、それ以降の処理となるため。 2.年度末にacceptされたばかりの英語論文の掲載料の請求が、予想より遅く、次年度に持ち越しとなったため。
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