2022 Fiscal Year Annual Research Report
Associations between brain function, brain structure, and autonomic nervous function in patients with panic disorder
Project/Area Number |
17K10313
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
浅見 剛 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70623057)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平安 良雄 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70244324) [Withdrawn]
吉田 晴久 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70784164) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | パニック症 / 脳容積 / 白質構造 / 安静時脳機能的結合 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
パニック症の安静時脳機能および安静時脳機能的連絡の変化と、それらを連絡する白質構造の変化、自律神経機能の変化、症状評価尺度との関連も調べ、パニック症の脳病態を解明することを目的としている。本年度までにパニック症42例、健常群46例より脳画像データを収集した。 パニック症の脳基盤としては、体性感覚情報が視床や島回、内側前頭前野・帯状回で十分に処理されない結果、不安中枢である扁桃体が過活動に陥り、その扁桃体からの情報が遠心性に脳幹や視床下部に伝達されることにより諸症状が引き起こされると考えられている。これらの脳領域での脳構造変化が認められることを報告してきたが、視床下部の右側上方領域に容積減少が認められることを見出した。この領域には室傍核が含まれており、室傍核は視床下部-下垂体-副腎系を担っていることから、ストレスに関与している副腎皮質ホルモンの分泌という点においてパニック症においても重要な役割を担っていると考えられている。これまでの同領域の構造変化を報告した研究は無く、世界初の報告としてBrain Imaging and Behavior誌に投稿し、revisionの段階にある。 白質画像では、パニック症における前部脳梁や鈎状束におけるFractional Anisotropy(FA)の低下が認められたが、傾向レベルであり有意とは言えなかった。また、Axial Diffusivityなど、その他の評価値でも有意な群間差が認められなかった。 安静時脳機能画像の解析では、パニック症では健常群と比べて、側坐核と楔前部間の機能的結合が増強していることが明らかとなった。この結果を2023年5月19日の第15回日本不安症学会で発表する予定となっている。それ以外にも、パニック症における右側扁桃体と楔前部間、視床と楔前部間など、複数の脳領域間での機能的結合の変化を見出した。
|
Research Products
(1 results)