2017 Fiscal Year Research-status Report
電気けいれん療法の急性期作用期機序解明に関するマルチモーダルでの縦断的観察研
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17K10315
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平野 仁一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60574910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 文 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30439476)
杉浦 悠毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30590202)
内田 裕之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40327630)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神医学 / 気分障害 / 電気けいれん療法 / 脳画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始にあたり、慶應義塾大学医学部倫理委員会の承認を得た。2018年4月28日現在、8症例が登録されている。電気けいれん療法(ECT:Electroconvulsive therapy)施行前後でMontgomery Asberg Depression Rating Scale(MADRS)総得点にて計測されうるうつ病の重症度は改善を示した。また、研究遂行にあたって有意な有害事象は認められていない。 当初は1年間に10症例の登録を目指していたため概ね順調に進行していると判断される。8症例を用いた機能的Magnet Resonance Imaging(MRI)における機能的結合性解析においては、機能的結合性がECT施行前後で変化する傾向が確認された。また、MRIの構造画像解析では海馬を中心として灰白質の容積がECT施行前後で増加する傾向、白質が変化する傾向が確認された。(ただし、いずれの解析においても関心領域を設定し解析を行ったものである)。これらの結果はいずれも、先行研究と合致するものであり現時点でのECT施行の信頼性、妥当性ならびにMRI検査の信頼性ならびに妥当性を示唆していると考えられる。また、語流暢性課題下での近赤外線光トポグラフィー検査、脳波データに関しては解析前の前処理を終了しており、今後統計解析を施行していく予定である。今後も症例登録を行っていくとともに、本年度においては最先端の脳画像解析手法の習得に務めるとともに最終的に行う解析技法の確立を行なった。また、ECTの治療反応性に関して文献的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始にあたり、慶應義塾大学医学部倫理委員会の承認を得た。2018年4月26日現在、8症例が登録されている。当初は1年間に10症例の登録を目指していたため概ね順調に進行していると判断される。また、研究遂行にあたって有害事象は認められていない。また、先端バイオイメージング支援プラットフォームのMRI画像講習会に参加する等して最先端の脳画像解析技術習得に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順当に遂行されている。研究開始初年度であり、有意な結果を得るまで症例数が至っていない。このため次年度も引き続き症例登録を遂行していく。一方で、海外も含め画像講習会に参加する等して最先端の脳画像解析技術習得に努めていいき、得られたデータでのマルチモーダルでの解析を施行していく。
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Causes of Carryover |
本年度10症例登録の予定であったが、8症例の登録であったこと。想定よりMRIの撮像費用が必要とされなかったこと。また、データ整理等のための補助員の雇用が年度後半からと遅れたこと等の理由により次年度使用額が生じた。次年度は、本年度登録症例数に達しなかったことも含めて、症例登録を増やす予定であり、次年度使用額と翌年度分を合わせて使用し研究を遂行していく。
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