2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of salivary stress biomarkers in child psychiatry
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17K10324
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
篠山 大明 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90447764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 昌樹 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (50272638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サイトカイン / 睡眠 / ストレス / 注意力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主観的な心理的ストレスと唾液中のサイトカイン及びコルチゾールとの関係を明らかにし、心理的ストレスマーカーとしての有用性を評価することを目的としている。さらに、主観的睡眠感とアクチグラフによる睡眠評価データとの関連、睡眠と生活スタイルとの関連、睡眠や生活スタイルがストレスや唾液中サイトカイン及びコルチゾールに与える影響について調べることを目的としている。2019年度は、20-23歳の大学生31名(男性11名、女性20名、平均年齢(標準偏差) 21.5 (0.8)歳)を対象に唾液を採取し、唾液中サイトカイン/ケモカイン27種類を測定した。また、唾液採取前の3日間のアクチグラフ装着による活動の測定を実施し、睡眠時間、睡眠効率を算出した。さらに、唾液採取日にアテネ睡眠尺度(AIS)、Kessler 10 (K10)、Integrated Visual and Auditory Continuous Performance Test (IVA-CPT)を実施した。K10は一部のサイトカイン濃度と有意な相関を認め、Th1/Th2の指標となる唾液サイトカイン比がストレスと関連することが示唆された。Th1/Th2の指標はAISとは有意な相関を示した一方で、アクチグラフにより測定された睡眠時間、睡眠効率や、IVA-CPTで得られた注意や反応抑制のスコアとは有意な関連が認められなかった。このことより、Th1/Th2は客観的に評価された睡眠の問題や注意力・反応抑制との関連は示されなかったが、自覚的な睡眠の問題には関連することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた検査のうち一部実施できていないものもあるが、概ね予定していた人数の対象者から唾液採取を行い解析が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、これまでの結果に基づいて解析をすすめ、必要に応じて追加サンプルを採取したうえで、最終的な解析を行う。
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Causes of Carryover |
購入したサイトカインアッセイキットが予定より高額であったため、20万円の前倒し請求を行ったが、最終的には想定したよりも2019年度中の使用額が少なかったため、次年度使用額が45,665円となった。次年度使用額は追加サンプルの測定、学会発表、論文作成に用いる予定である。
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