2017 Fiscal Year Research-status Report
Neuropsychological and brain science studies on occurrence mechanisms of visual illusory cognition in Parkinson's disease
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17K10336
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
石岡 俊之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50548914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 視覚認知障害 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病の認知機能障害は,運動機能障害と同様に本人の社会生活を営む上での活動制限や参加制約を引き起こし,本人やその家族の生活の質の低下につながっている.そのパーキンソン病の認知機能障害のひとつとして視覚認知の障害があり,認知症発症との関連も示唆されており視覚認知障害の要因を明らかにし,適切なリハビリテーション方法を開発することが必要である.そのため,本研究では,パーキンソン病の視覚認知障害である視覚性錯認知の出現するメカニズムを解明することを目的とした.平成29年度の研究では,パーキンソン病による視覚性錯認知の出現と関連が予想される視覚腹側経路の視知覚機能を測定できる課題を作成し,パーキンソン病患者と健常対象者から取得したデータの解析を行った.作成した課題は,明らかな境界線が存在しないのにそこに形が形成されているように知覚処理がされるパターンによる形態知覚処理に着目し,テクスチャーの違いや主観的輪郭を刺激とした課題であり,パーキンソン病による運動機能障害等の影響を最小限とするために刺激への反応時間を測定するのではなく刺激に対する正誤を基に刺激提示時間を調節することですることで知覚処理ができる提示時間を測定できるように開発した.取得したデータを解析した結果,パーキンソン病患者の課題成績は,と健常対照群の課題成績と比較すると,提示された刺激の一部においてパターンによる形態を知覚するために必要な提示時間が延長していることが明らかになった.この結果は,パーキンソン病患者の視覚腹側経路のパターンによる形態知覚処理の低下が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに作成した課題データの取得と解析が済んでおり,次年度に向けた準備が順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,パーキンソン病の視覚性錯認知の出現と関連した神経基盤を明らかにする研究に着手する予定である.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由として平成29年度に予定していた脳画像解析に必要な備品の購入を平成30年度に変更したことが挙げられる.平成30年度に脳画像解析装置を購入して研究を進めていく予定である.
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Research Products
(1 results)