2018 Fiscal Year Research-status Report
Neuropsychological and brain science studies on occurrence mechanisms of visual illusory cognition in Parkinson's disease
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17K10336
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
石岡 俊之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50548914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 視覚認知障害 / 視知覚 / 外側後頭複合体(LOC) / FDG-PET |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)が視覚機能障害を引き起こす報告はあるが,PDの視覚機能障害が遂行機能障害に関係なく,視覚知覚障害によって引き起こされるかどうかはまだ明らかになっていない.更にPDの視知覚障害と関連した神経機序も示されていない.本研究では,明らかな境界線が存在しないのにそこに形が形成されているように知覚処理がされるパターンによる形態知覚処理に着目し,テクスチャーの違いや主観的輪郭を刺激とした課題を作成した. 平成30年度は,18 F-フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影法(FDG-PET)を使用してPD患者の安静時局所脳グルコース代謝を測定した結果とパターンによる形態知覚処理課題においてPD患者群で有意に低下していた刺激の成績との相関関係を解析した.結果,FDG-PETイメージングにて交差線対の識別能力の低下は,右後下側頭回,腹側視覚ストリームにおける外側後頭複合体(LOC)に対応する領域における代謝率の低下と有意に相関していた。また,Kanizsa型の主観的輪郭の形態知覚処理能力の低下は,右後下側頭回とLOCの一部の領域における代謝率の低下と有意に相関していた.これらの所見は,PD患者がLOCの機能不全によるパターンによる形態知覚処理の障害を特徴とした視知覚障害有していることを示した. その他に,脳深部刺激術(DBS)目的で入院したPD患者の術後せん妄出現の有無による術前の認知機能を比較したコホート内ケースコントロール研究を実施した.DBS術後せん妄の出現の有無で神経心理学検査成績を比較した結果,せん妄出現群は,Mini Mental State Examinationと音韻性の言語流暢課題で術前から成績低下をしている可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたFDG-PETイメージング研究の解析が実施できた.今後,公表に向けた準備にを進めていく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,現在の研究成果の公開と錯綜図認知課題の標準化に向けたデータ収集を実施する予定.
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Causes of Carryover |
平成30年度に購入予定であった,刺激提示装置の追加購入を行わず実施したことがあげられる.最終年度は,研究成果の公開に向けた論文執筆や投稿にかかる費用への使用と錯綜図認知課題の標準化に向けて,刺激提示装置を購入および研究協力者への謝金に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Defining visual illusions in Parkinson's disease: Kinetopsia and object misidentification illusions2018
Author(s)
Nishio Y, Yokoi K, Hirayama K, Ishioka T, Hosokai Y, Gang M, Uchiyama M, Baba T, Suzuki K, Takeda A, Mori E
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Journal Title
Parkinsonism Relat Disord.
Volume: 55
Pages: 111-116
DOI
Peer Reviewed
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