2020 Fiscal Year Research-status Report
Neuropsychological and brain science studies on occurrence mechanisms of visual illusory cognition in Parkinson's disease
Project/Area Number |
17K10336
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
石岡 俊之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50548914)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | パーキンソン病 / 視知覚障害 / 主観的輪郭 / 脳深部刺激療法 / 精神行動症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はCOVID-19の感染拡大の影響により新たなデータ取得が困難であったため,既得したデータでの再解析を実施し論文作成を行った.1つは,脳深部刺激療法 (Deep Brain Stimulation; DBS)術目的で入院したパーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)患者の周術期の非運動症状の特徴を明らかにするためにPD患者5例を対象に認知機能と行動精神症状を調査した.結果,外科的処置前と比較して視床下核 (Subthalamic nucleus; STN)刺激時に語頭音の語流暢性課題成績の低下を示し(χ2 = 11.231, p=0.011),また外科的処置後に5例中4症例にせん妄様の行動精神の亢進症状が観察された.DBS周術期のPD患者において前頭葉機能や精神行動症状を適切に評価することが臨床上必要であることが示唆された. 2つ目は,臨床応用に向けてPD患者の主観的輪郭により誘発される形態認知を評価したデータを再解析した.方法は,主観的輪郭課題の刺激提示時間による正誤をもとにバイナリーの一般化線形モデルにて75%の正答率で統制した値を推定閾値として算出し,40名のPD群と20名の健常対照群の成績を比較検証した.結果,健常対照群の1名が有意なモデル (the log-likelihood ratio tests; p < .05)を推定できなかったが,残りの59名は有意なモデルで推定閾値を算出できた.モデルから推定したKanizsa型の刺激の正答率75%の平均閾値をPD群と健常対照群で比較下結果,PD群(195.0 ± 71.8ms)が健常対照群(147.0 ± 26.9ms)より明らかに延長していた(t = 3.70, p<.001).
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大の影響により新たなデータ取得が困難であったため錯綜図認知課題の標準化を目指したデータ収集が不十分で継続が必要と考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究成果の公表に向けた論文作成を主に実施していく.また、錯綜図認知の標準化を目指したデータ収集を継続し標準化した課題作成を継続する.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,COVID-19感染予防対策のため新たなデータ取得が出来なく研究協力者への謝金や消耗品の購入がなかったことが上げられる.次年度は,データ取得再開に伴う費用(謝金,消耗品の購入)および研究成果の公表に必要な経費(論文校正費,投稿料など)に使用する予定である.
|
Research Products
(1 results)